サブロー "カット・イン/カット・アウト..." 2025年9月13日

カット・イン/カット・アウト (集英社文芸単行本)
ここまで読後感が良い小説は久しぶりです。最終章にあたり、そこまでの伏線が細かいところも含め回収されていくのは見事でした。特にかめちゃんの件に関しては、違和感が大きかっただけにとても驚かされました。 自分は高校生の頃から舞台を見に行くことを結構おこなっていたので、裏ではこんな努力があったのかとリアルな演劇を体感しているようでとても楽しめました。さすがほんタメ文学賞であかりんが推していた作品と言う印象です。 著者の松井玲奈さんはもともとアイドル出身ということもあり、業界にはとても詳しいと思ってはいたのですが、その業界の解像度が、文章力でとても高かったので「リアル」と言う印象をとても受けました。今回読んでみてさらに感じた事はこの著者さんはまだまだもっと面白い小説が書けるのではないかという高揚感です。ぜひとも次回作お待ちしております。
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