天果 "イリュージョン (集英社文庫..." 2025年9月14日

天果
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@melon-rice
2025年9月14日
イリュージョン (集英社文庫)
イリュージョン (集英社文庫)
リチャード・バック
買って手元にある本、かつ読み終えた本に限定して追加しようと思うと、図書館本や気になる段階での未読本が除外されるので、なかなか悩ましい。 そこで、少し自分の中の範囲を広げて、いただいた本も出すことにした。 この『イリュージョン』は従姉妹からのいただきもの。自分だけでは選ばない、アンテナが向いていない本にも触れられるところが贈り物の素敵な点だなと思う。 小説ではあるけれど、その物語を説明しようとすると、けっこう難しい。ただ、上手く言葉に表せないお話こそが心に響くことは往々にしてある。この物語もそうした類のものだ。 話の筋だけをざっくりと示すなら、救世主と飛行機乗り(幾らかのお金と引き換えに人びとへ飛行体験を提供するお仕事)があちこちを旅するというもの。 けれども、そこで描かれているのは「自由」ということについてなのだと思う。人は思い込みによって自分を縛り付けている。何かを想像し、それができると信じれば、誰もがそれをできるのだ。 解説にもあるように、読み終えたら少しのあいだ放心し、それから遥かな空を感じさせてくれるようなお話だと思う。
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