
なかむら
@duxuni
2025年9月16日

ホモ・エコノミクス
重田園江
一部だけ読んだ
ジェヴォンズについて知りたくて第二部「ホモ・エコノミクスの経済学」(101-198頁)のみ再読。前に読んだときより格段によく分かったし面白かった。
よく分かるようになってたのは、最近読んだウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ』〔鈴木直 訳、みすず書房〕(経済学についてほぼ何も知らない私にとって、これはとても良い本だった)のなかで、同じく限界革命とそれにつづく新古典派経済学について簡潔かつ明快な批判が書かれていたからだと思う。
ヘルマンの本の方が見通しが効いてて批判としても鋭いと思ったけど、重田さんの本では個々の経済学者について、ネチネチ、ウネウネした記述が続いていて、読み進めるのが楽しい。ビールのくだりは何回読んでも最高。
自然科学上の定理の経済学への「比喩的」な適用がいかに杜撰なものだったかということは理解できたものの、その個々の事例が経済学の数学化とか抽象化とかのなかでどれくらいの意味を持っていたのかに関しては、あまり説得されなかった気がする。とはいえ、6節(「経済学の内部と外部」)の記述に迫力があって、押し切られるようにして読み終わった。
桑田学さんの『人新世の経済思想史』はこれからすぐ読む。
