
まいける
@bluesky42195
2025年9月16日

読み終わった
感想
「9回出撃して、体当たりしろという上官の命令に抗い、爆弾を落として、9回生きて帰ってきた人」佐々木友次さん。
鴻上さんの凄さは、特攻の真実を明らかにするために、消え入りそうな声に耳を傾けて丹念に取材したところ。
佐々木さんは、生きて帰ったことは寿命だと語る。軍神になったことになっている佐々木さんは、「今度こそ死んでこい」と処刑飛行?を命じられるが九死に一生をえたりして生き延びる。仲間が台湾に渡った時は、死んだことになってるからとフィリピンに残されて飢えと闘って生き抜く。戦争が続いていたら日本兵に殺されていたかもしれない。
佐々木さんは、反骨の人ではない。飛ぶことを愛し、飛ぶことに誇りをもって、生きたいという本心と本能に忠実であった人だ。
鴻上さんは、「命令した側」と「命令された側」の違いを明確にして、「命令する側」の責任を追及する。「当事者」にしかわからない真実を掘り続ける。
「哀調の切々たる望郷の念と
片道切符を携え散っていった
特攻という名の戦友たち
帰還兵である私は今日まで
命の尊さを噛みしめ
亡き精霊と共に悲惨なまでの
戦争を語りつぐ
平和よ永遠なれ」佐々木友次
上からの命令や理不尽な慣例に従順な構図は確かにある。少なくとも私の仕事にはそれは存在していた。
ひとりひとりが、あれ?を飲み込まず声をあげていくことが何かを変えていくことにつながるのではないか。
佐々木さんの存在は戦争の理不尽さを改めて教えてくれる。それに屈することなく生き抜いた佐々木さん。ネガティブをポジティブに変えていくエネルギーをいただいた気がする。