
高山碧瑶
@uya_20250906
2025年9月17日

買った
読み終わった
@ ニコンプラザ東京
2025年9月の作者の展示『土脈』にて作者にお会いした。
同年春に北井一夫賞を受賞していて、船橋市写真展で観てから欲しかったと話したところ送ってくださった
林さんの写真は都市スナップの写真作品に見られるような浮遊する意識がありながらも、どこか地に足がついているような不思議な印象を呼び起こす。
『Time Capsule』は千葉県の農家に嫁いだ林さんが住んでいる地域を歩いて撮った作品で、農村や家がだんだんと高齢化過疎化で失われていく感覚そしてそれを守れなかった自分たちの事を思いながら撮影した作品だという。
意識的にしろ無意識にしろこの喪失感は2010-2020年代を生きる日本人全員が共通して持っている時代精神なのではないだろうか?
しかしながら実際に手を動かして田畑を守り、カメラのレンズを通じて周囲の世界をタイムカプセルに納めてゆく林さんの行動からは喪失感とともにありながら虚無主義を感じない。
「川の水が清らかに澄んだ時は自分の冠のひもを洗えばよい、
もし川の水が濁ったときは自分の足でも洗えばよい」(五木寛之『大河の一滴』)

