
なないろ文庫☆みわ
@nanairo-bookshelf
2025年8月5日

雫
寺地はるな
読み終わった
図書館の本
@ 図書館
(8月読了)
リフォームジュエリー会社の廃業による、主人公の失業から物語は始まる。
主人公・永瀬と3人の友人たちの人生の出来事を過去へ過去へと遡っていくクロニクル小説。
作品全体に漂う、しっとりとした空気感が私好みで😊
続けて2回読んだ!
1回目は一章から順に。
2回目は中学からの30年間をたどりながら、昨品の後半から遡って。
主人公・永瀬の、全く特別感のないキャラと人生が、むしろ愛おしくて。
重い過去や派手な活躍がない(多くの人がそうであるように)日常のささやかな浮き沈みとともに歩む中3から40代までの、平凡だけど日々懸命に生きている永瀬のその人生に気持ちが重なっていくようだった。
永瀬の友人たち、しずく・高峰・森くん、との関係性も良くて😊
4人の人生に幸あれ!と応援したくなる物語だった。
4人の関係の中で、しずくに対して他の3人が心配したり、アドバイスしたりするところ。
私も末っ子にそれやってきた😣って、ハッとさせられた。
作品のラストに
*わたしたちはずっと、「心配する」という名目で絶えず「あなたは今のままではだめだ」というメッセージをしずくに発し続けていたのではないか。伝えるべきことは、それではなかったのに*
という主人公の述懐があるんだけど、めちゃくちゃ胸が痛んだ。
ごめん、末っ子よ。
雫〜ティアドロップ〜は、幸運を呼ぶモチーフ。
作品の中で、人から人へ繋がっていくのが、まさに(変化を受け入れながらの)永遠を象徴しているようだった😌
寺地作品、久しぶりに「はぁ💕好き」って思うのに出会ったな✨
⭐︎心に響いた言葉⭐︎(本文引用)
正解か不正解かを決めるのは、選択したあとの自分の生きかただ。
変化しながらゆるやかに繰り返し、続いていくことを「永遠」と呼ぶのだから。終わることも、変わっていくことも、離れることも、なにひとつ悲しいことではない。


