
amy
@note_1581
2025年9月20日

新しい声を聞くぼくたち
河野真太郎
読み終わった
感想
フェミニズム
ジェンダー
男性学
弱者男性
『新しい声を聞くぼくたち』を読んだ。
強く心に残ったのは、男性性をめぐる物語がどうしても「個人の努力」に結びついてしまうという指摘。ケアできる男性や新しい男性性を獲得することが良いことのように語られても、それが結局は別の形のマッチョイズムになってしまうのではないか。そこに上手く馴染めず、ひとり袋小路で苦しむ人もいるかもしれない。そう思うと、胸が少しざわついた。
新自由主義のもとでは「ケア」や「連帯」でさえ個人の資質や努力として語られがちで、そこから外れる人を排除してしまう危うさもある。けれど、そうした視点を言葉にしてくれることで、自分が日々あたりまえに受け取っていた考え方を少し立ち止まって見直すことができた気がする。
男性から男性へのミソジニーや、「ケア=助力したいという男性的欲望」という指摘、「無口こそ男らしい」から「コミュ力が男らしい」へという移り変わりなど、ハッとさせられる発見もたくさんあった。読み終えて、知らなかったことに気づかせてもらえた。




