
kasu.
@11uyksm
2025年9月20日

神様の定食屋
中村颯希
読み終わった
電子書籍
Kindle
定食屋を営んでいた両親が突然亡くなり、未経験の兄としっかり者の妹と神様の力を借りてお店を守っていくお話。
ファンタジーでユーモアのある登場人物たちにクスりとさせられたりうるっと来たり。
各エピソードも料理も抜群にいい物ばかりでした。
☆一皿目 チキン南蛮
お客様のこともお店のことも料理のことも何一つ真剣に考えていない主人公(兄)。とあることから、神様にお願いした通りの人物が自分に憑依するように。
こちらの1話目ではキャベツの千切りすら出来ない兄にお世話焼きおばちゃんが憑依。料理の作り方から相手を思う気持ちまで教えてもらい少しずつ成長していく様に心がじんわり温まる。息子を思い、チキン南蛮を作るおばちゃんのストーリーもまた良い🥲チキン南蛮、食べたい…大葉入りたっぷりの千切りキャベツを塩とレモンで。
☆二皿目 天たまかけご飯
和食料理人の銀さんが憑依。和食料理人だけあって、天ぷらの場面はすっごく美味しそう。特別な相手への特別な料理。卵の天ぷらは作るの難しそうだし、シンプルながらこだわりの詰まった料理で真似は出来なさそう。作中の兄と一緒にヨダレが止まらなくなった。
不器用で口下手で無愛想だけど優しい銀さんと元弟子のイタリアンシェフのたまさんの関係がまた…🥲「裏メニュー」に込められた思いが良かった。
☆三皿目 具だくさん豚汁
どことなくセレブ風な和服おば様が憑依。最初は嫁いびり姑と無礼ギャル嫁だと思ったけど…。体調の悪い相手への思い遣り料理って本当に相手の気持ちが分かってないと出せるもんじゃないし、食事の作法などの礼法も日本人たるもの少しは覚えておかないと恥ずかしいな…と改めて実感。家庭の味、私も意識して日々のご飯作りに励みたい。
☆四皿目 フレンチ風オムライス
神にも「ちとうざい」と言われてしまうフランス人が憑依。テンション高めで素晴らしい回。バターと卵を沢山使ったオムライスは愛重め。贅沢なほどの卵を使いクリーム状になるまで混ぜる執念はきっと愛あってのポイント。スフレのようなオムレツが乗ったオムライスに読みながらヨダレが出る🤤亡くなっても亡くなる前と変わらぬ愛情をさらけ出すフランス人と愛する人を亡くした失望感に対応しきれない女性。謝るフランス人に涙。相手を思いやる気持ちに気付いてくれる人もいると自分が持っていなかった視点に気付けた兄。この回は凄く泣けた。
☆五皿目 「てしをや」名物・唐揚げ
遂に両親が兄妹に憑依。意外とあっさりしてる両親に拍子抜け。感動の再会じゃないんだ…??とか思ってたけど、残された側にも残して逝った側にもそれぞれの思いがあって、あまりあれこれ口にしない両親の思いに涙。別件で事件もあったりと不穏な流れだったけど、そんな事にも動じずでーんと構えて居る様にさすが親だなと。後半はやっぱりそうだよね…な展開にまた涙。
☆おかわり ほくほくおでん
妹目線でのお話。少し惜しいと思ったのが仕込みの場面。今まではレシピのようにしっかり書かれていた仕込みの部分がほぼない!!!真似したかったのに!!おでん食べたくなったから作るけど。でもこの回で伏線が回収されて、なるほどね〜な事が分かりスッキリ。
どうやらシリーズらしいので、いつかこの続きもまた読みたい。


