

kasu.
@11uyksm
読了本の記録...✍️
- 2025年8月26日スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ知念実希人読み終わった左ページに文章、右ページにスマホ画面と新しい手法。 新鮮な仕掛けにドキドキしつつ読み進めていくと違和感に気付いたり、スマホ画面に写る影に「おぉ…よく出来てる…」と謎に感動したり。 読み始めて違和感にすぐ気付けたけど、謎が残るところもあり…次回作でそこが分かるのかなーと今からワクワク。早く次回作が読みたい!
- 2025年8月25日満天のゴール藤岡陽子読み終わった単行本舞台は星空が美しい医療過疎地。 人生のどん底のシングルマザー、人生に責められ続ける医師、人生を諦めている老女。 3人の出会いが、人生を変えてゆく。 希望をもたらす、人間味溢れる医療小説📕 〜 生とはこんなにも切なく、死とはこんなにも温かい〜 身勝手な理由で実家へ帰っておいて、実の父が怪我で入院して面倒見なきゃいけないとなったら東京へ帰ろうとする奈緒。おまけに兄か兄嫁に迎えに来てもらって、父の面倒を丸投げしようとする。この時点でこの人に対してあまりいい印象ではない🙅♀️ (P40.P43) 子供の駄々こねみたいな事を兄と夫にしていて、段々とイライラしてくる。そりゃ不倫相手から「もっと大人な対応しましょうよ。」と言われるわけだと呆れる。(P45.P47.P63.) 妻であることに安心しきって、若さや女としての価値が目減りしていることに鈍感で自分を磨かず、危機感もなかった。(P89.P88.) これに関しては私も自分磨きを怠っているから同感。夫婦とはいえ、やっぱり女であることを忘れてはいけないなと感じる時があるから、これは忘れちゃいけないよなぁと反省。 「もう帰れよ!」(P90) ここで涙腺緩み第一波🌊泣けた。十歳の子がしっかり自分の行く道を決めて、守るべきものを理解してる。奈緒にとって心強い存在だろうなと感じた。 「親ってね、自分が持てなかったものを子供に持たせたがるものなのよ、厄介なもんでね。」(P181) これは本当にそう。厄介。けど理想を押し付けてくるのはこの負担だから、程々にして欲しい。と、ここは激しく嫌悪。 インフルエンザって本当に舐めてちゃいけないなと改めて思わせる場面。(P182) 「そうか。じゃあ今日のこと、憶えていてくれないか。」(P214) 涙腺緩み第二波🌊号泣😭十歳の少年には酷じゃないかとも思うけど、これも大切な事実。こんな体験をした子は絶対心の優しい人になるよ…と涙が止まらなくなった。 衝撃の伏線回収💥(P225) 多分、涼介と奈緒と同じ気持ちだったと思う… 子供が感じる幸せは貧富の差とは比例しない〜…自分を大切に想う大人が両手を広げ、全力で守ってくれているのであれば〜…その子供は不幸ではない。(P234) 子供がいる身からすれば、お金があったほうが幸せにしてあげれられると思いがちだけど、愛や接し方の方が大切だよねって。プライスレスな物の方が子供の気持ちを満たしてあげられる。これは肝に銘じます…。 「誰にも救ってもらえないのなら、あなたが救う人になればいい。救われないなら救いなさい。」(P236) 涙腺緩み第三波🌊号泣😭 帯にも書いてあったこの台詞。凄く名言だなと思った。救ってもらえないと被害者ぶって不幸な人間だと思いがちだけど、代わりに誰かを救えば希望になる。こんな名言もっと早く人生で出会いたかったよ… 早川と三上の対話(P261) 涙腺大崩壊😭😭😭😭😭😭 ここから先のお話はもう涙無しじゃ絶対に読めないくらいに大号泣。読了後も余韻が凄いので涙が止まらず。この本は絶対に外では読まないでくださいってお知らせが必要だと思います。そのレベルで感動しました。
- 2025年8月15日舟を編む三浦しをん読み終わった単行本辞書『大渡海』の完成を目指し、長い年月をかけて地道に奮闘する姿を描く物語。 辞書作りに没頭するあまり、うっかり鉛筆で蕎麦を食べようとする様な変わり者ばかりが出てくるけど、どの登場人物も好きになる。特に馬締のキャラがどんどんとクセになってくる。 そして何より作品を通して辞書の魅力に気付かされ、今では我が家のリビングには辞書3冊常備📚 「私も辞書作りたい」とまで思わせてきた素晴らしい作品だった。 「なぜ、新しい辞書の名を『大渡海』にしようとしているか、わかるか」(P26.P28) 読み進めていくうちにどんどん名前の意味が分かるようになる。深い。ここの説明してるページの付箋は一生外しません。 馬締節が炸裂(P21.P25.P64.P116.P173.) 変な人だけど、放っておけない愛嬌がある人。この人が居なかったらこんな愉快な仲間たちにはならなかったと思う。馬締ファンになった。 馬締×香具矢の組み合わせがまた良い…!(P91.P94.) 不思議ちゃんな馬締と芯のあるしっかり者の香具矢。正反対すぎて相性が良いのかな…すごく好き。 西岡×馬締も良い。(P116.P126.P132.P133.) 一見おちゃらけな西岡も、実は芯のある熱い人でまるで馬締の保護者。2人の掛け合いがホッコリもさせる。 ドラマでは岸辺が主人公になっているので、この人の登場が中盤〜なのに驚き。そしてたまに毒づくのがまた面白かった(P169.) 「たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは〜…相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。」(P186.) この一節にすごく納得。言葉って普段から使うから意識して使うのは失礼のないようにしなきゃいけない相手くらい。でも日常の中で言葉の引き出しが多くなれば伝わる気持ちも多くなる。改めて、言葉って大事なんだなと気付かされた場面。 『大渡海』の装幀最終案。(P240.) これを読んで驚いた。まさか表紙が伏線になってたなんて…!!!!!これに気が付いた時には感無量。 終盤、泣けて泣けて涙が止まらなかった場面(P246.) 私も最近同じような経験をしたので、馬締たちの気持ちがよく分かる…「大丈夫」「がんばって」は応援するには使い易い言葉かもしれないけど、それが適切なのか、分からなくなる場面あるよね…と感情移入し過ぎた。
- 2025年8月13日星のように離れて雨のように散った島本理生借りてきた読み終わった単行本読書友達から、銀河鉄道の夜を読んだなら…と教えて頂いた1冊。 こちらの作者さんはもっとドロドロした大人の恋愛ってイメージがあったのに、この作品は大学生と社会人の普通の恋愛。だけどお互いに抱えるものがあって…。ありえなく無いストーリーだけに共感できるところが沢山あったお話だった。 『行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説。三つの未完の物語の中に「私」は何を見い出すのか?人生の岐路に立つ女子大学院生を通して描く、魂の彷徨の物語。』 銀河鉄道の夜が宗教的なテーマが強い作品なのは気付けなかったけど、妙に懐かしい感じや不思議な近しさがあるのは感じられたから作中で同じことを述べてくれたのが嬉しかった。(P.10) 主人公の春が友達を家に招いた時の話で、楽しかったのに1人になるとほっとしている自分に気付く場面。 他人と一緒に居ることで知らずのうちに疲労感が溜まっていたこと、表向きの対応をしていたことを1人になってから気付くのは私も良くあるので共感できた。 こっちから提案したのに相手が乗って即行動に移されると内心怯んでしまう春の気持ちも手に取るようによく分かる。(P.51) 「他人と自分の問題を混同して責任とか感じないほうがいいよ」(P.94) 相手の気持ちになり過ぎたり共通してる所があるとどうしても入り込みすぎてしまう。これもまた共感。それに気付いてちゃんと言葉で伝えてくれる友達って大事だなぁと感じた場面。 普段の亜紀君は春の様子を伺いながら話してる子犬感があるのに急に春を試すような口調で、こっちまでカチンときてしまった…。その後の春の態度には怒り以上に驚かされたけど、ややスカッとした。この辺から亜紀君に対して不信感。(P.108) 「言葉にしなさい」(P.111) 吉沢さんとの出会いで、こんなにもしっかり導いてくれる存在の大人が春の周りには居なかったんだなぁと悲しくなった。 「それ、自立って言わなくて、頑張ってないことになるの?」(P.158) 春はちゃんと自立してるよ〜😭と言ってあげたくなった。精神的には不安定かもしれないけど、しっかり自分のことは出来てるし、生い立ちを考えたらよくグレなかったね…と褒めてあげたくなる。 吉沢さんに核心を突かれた場面。(P.183) それに対する春の答えが吉沢さんの聞きたかった内容じゃない気がして…。でも春が実はそう思っていたんだなとよく分かる場面でもあった。 「気持ちが分かったからって、自分の感情をコントロールできるわけじゃないからね。」(P.189) 子育てや恋愛において第三者の目線からなら他人にいくらでも寄り添って話を聞いてあげられるのに、自分の立場になると何も見えなくなる現象あるあるだなぁと。痛いほどに吉沢さんの言葉が分かる。 終盤、亜紀君の暗い部分に気付いた場面。(P.222) 今世間を賑わせている話題と同じすぎるし、その対象が亜紀君だったんだ…って思ったらとてつもなく悲しくなった。言いたくない過去を日々の中でふとした瞬間に思い出して嫌悪を抱いたり、不安になったり。 この場面で亜紀君の行動全てが繋がって不信感が一気に吹き飛んだ。
- 2025年7月31日借りてきた読み終わった心をざわつかせる、仕事+食べ物+恋愛小説とのことで気になって即図書館で借りてきた。 職場でそこそこ上手くやっている二谷 みんなが守りたくなる存在で料理上手な芦川 仕事が出来て頑張り屋の押尾 そんな3人と職場とプライベートのお話。 初っ端上司の藤さんがキモすぎる。普通にセクハラ。それをどうとも思っていないのか、セクハラ上司にも媚びるような芦川に8ページ目でイラッ☆(P.6、P.8) 昔の人の『家を継ぐのは長男』って考えはもう古いのに、アップデート出来ない老人からのありがた迷惑な教え。 長男だから大事にしなくちゃいけない、妹よりもお菓子や食事を多く与えられる、誰かが喜んでくれるから結婚する… 自分の気持ちより相手の気持ちを考えて行動してしまう二谷だから、弱い子ぶりっ子な芦川に声を掛けたんだろうな(P.22) P.54〜二谷にイラッ☆ だんだんこの物語にはマトモな人間が出てこないのか??とすら思えてくる。 この辺りから二谷に対しての不満が多くなってくる(P.54、P.69) 芦川弟登場で「おや?」となる。 犬ってちゃんと人間を見てるんだね…わんちゃんは賢いわぁと関心。(P.80) みんな残業してるのに一人早く帰してもらう優遇。それを良しとしてる職場。なんでもっと批判の声が上がらないの??と不満になる。 おまけに頭痛がしたから帰る、家帰ったら治ったからお菓子作りましたはちょっといかがなものか… お詫びとはいえ、毎回その手口で早く帰る→お菓子作る→職場で振る舞うをするくらいなら皆と残業せぇ…と思ってしまう…(P.98) 急に不穏になる二谷。けどスカッともする。(P.112) 自炊をするって本当に労力と時間を使うからなるべく時短したい気持ちがよく分かる。(P.123) 飲食店に手作りのホールケーキとか持ち込んでいいの?非常識じゃない?と思ってしまった。きっと弱くて守られて当然の存在に周りの人たちも感覚が狂ってるんだろうな…子供を大目に見るのと似たような感じかもしれないけど、相手は立派な大人だぞと。心地よくさせてる周りも罪。 結局、まともなのは押尾さんだけ…? 展開が面白くて一気読み。読みやすくて妙にリアルな人間模様を楽しめた1冊でした。
- 2025年7月24日新編 銀河鉄道の夜宮沢賢治読み終わった半年以上かけてようやく読了。 昔の難しい文体に苦戦しつつも、温かみのある物語に癒される。 よだかの星、黄いろのトマト、オツベルと象、猫の事務所、銀河鉄道の夜、セロ弾きのゴーシュ辺りが好みなお話だった📖 本のタイトルでもある銀河鉄道の夜はやっぱり物語としての存在感が大きい。
- 2025年7月12日ネメシスの使者中山七里読み終わったKindle電子書籍死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が殺される事件が起きた――。 殺害現場に残された“ネメシス”のメッセージの謎。 ネメシスとはギリシャ神話に登場する「義憤」の女神。 事件は遺族による加害者への復讐か、はたまた司法制度へのテロか?ネメシスの真の狙いとはいったい……? 前回読んだ「テミスの剣」がおもしろかったので、主人公が同じの今作も読んでみた。 今作は色々な人の視点から語られる物語もあって、怪しい人が沢山出てくるから本当に誰が犯人なのか検討がつかない。 終盤、3連続くらいでびっくり展開があって仕掛けがすごい… 検察と裁判官の会話は難しかったけど、諦めずに読んでよかったと思えるくらい面白い話でした。 この作者さんの書くお話、面白いなぁと他の作品もチェックしたくなった。
- 2025年6月29日テミスの剣中山七里読み終わったKindle電子書籍一件の強盗殺人から始まる負の連鎖… 新米刑事の渡瀬と教育係兼パートナーの鳴海、二人で犯人逮捕の為に奮闘するも死刑判決を下された犯人は獄中で自死。そして後に浮上する冤罪疑惑。それに気付いて真実を求めようとする渡瀬に対して、隠蔽しようとする警察組織。 きっと暴力的な話が苦手な方は序盤で心折れてしまうんではないかってくらい鳴海のやり方が卑劣。 この男に対しては最初から最後まで好きになれず。でもこれがまたストーリーとしてはいいスパイス。 鳴海あって渡瀬あり。刑事として有能すぎるよ… そして隠蔽体質な警察組織。現実の世界でもこんな事が本当にあるんじゃないかと思ってしまう。 タイトルの「テミスの剣」はギリシャ神話に出てくる女神テミスから取られ、右手に力を表す剣、左手には平等を意味する秤を持ち、正義を司る。 『力』『平等』『正義』この3つの言葉が凄く重くのしかかる作品だった。 黒幕、分かっては居たけれどそう繋がってくるとは…としてやられた。結果、どんでん返しでした。 作品の締めくくりも綺麗で読了後にはため息が出るほど。とても楽しめた1冊でした。
- 2025年6月17日いけない道尾秀介読み終わったKindle電子書籍久々の読了。 こちらの作品、本当に凄すぎる。 体験型ミステリー小説。 新しい読書体験をありがとう。 第1章 弓投げの崖を見てはいけない 〜自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く〜 悲しくもあり、虚しくもあり、複雑。 ラストの写真を見た時、全然意味がわからず⋯ 難しすぎたので解説を調べて、納得。 こういう事だったのね⋯と驚愕。 第2章 その話を聞かせてはいけない 〜友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か?偽物か?〜 前章との繋がりもみせつつ、心苦しいお話でもあった。 山内、ホントに実在してる友達?と疑いたくなるけど、4章でも出てくるからきっと実在してるよね⋯? ラストの写真を見た時はクスリと笑えてしまった。 第3章 絵の謎に気づいてはいけない 〜宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが〜 自殺?他殺?分からないまま話が進んで、怪しい人がずっと出てくる。それなのに核心が分からない。 終盤、怒涛ラッシュの様に気付くこともあるけどイマイチ腑に落ちない。⋯と思ったらラストの写真。 「おいー!」と声を上げたくなるくらいの驚きが用意されてた。 終章 街の平和を信じてはいけない 〜これまでの物語全てが絡み合い、更なる“真実”に辿り着く〜 全ての章の答え合わせのような終章。読み終えた時にこの章のタイトルの意味が重くのしかかる。
- 2025年6月5日チュートリアル円城塔読み終わったKindle電子書籍⋯ー地面から数十センチのところに浮かぶ、透き通った青い結晶ー⋯ RPGに出てくる「セーブポイント」 街中に急に現れて、人々は不意に手を添えて「セーブ」をする。 そして「ロード」して自由な自分をいくつも持っている。 本当に街にセーブポイントがあったら…? 今の自分の人生だけを生きるのか、それともいくつもデータを作って色んな人生を生きるのか… 出会う人も自分の性別や見た目すらもそれぞれのデータでバラバラ。 ちょっと楽しいのかもしれないなと私は思った。 この作品を読んでいてセーブポイントを表す表現にとにかく心躍る。FF7好きなのでつい『私も触りたい!』と思ってしまう。
- 2025年6月1日借りてきた読み終わった心霊スポット突撃系YouTuberの池田とフリー編集者の小林と宝条で書籍化企画を通すために、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく。 過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行っていくと見えてくる真実とそれぞれの過去や現状。 “これは俺が出会った、くだらない幽霊の話 これは僕が出会った、恐ろしい幽霊の話 これは私が出会った、ただの幽霊の話〟 幽霊を信じている人もいない人もどうでもいい人も、何かのきっかけで何を信じて信じないのか、凄く不安定なお話でハラハラした。 池田は終始いけ好かない男で、読了後は『呪われてしまえ』とまで思った。付箋貼ったところを見返すとほとんどが池田の気に入らない言動だった…(P.34 P.39 P.58 P92) 「空っぽだから」この一言がストンと腑に落ちた場面。何故かこの一言を見た瞬間、スカッとした。よく言ってくれたよ…優子ちゃん👏(P.159)
- 2025年5月31日月とコーヒー吉田篤弘読み終わったKindle電子書籍prime readingを初利用。電子書籍デビュー📱 寝る前のひと時のための短編集。全24話。 掴みどころがないようなお話ばかりで難しく考えずにサラッと読める。でも、話によっては読んだ後に深く考えたりして楽しい1冊。 私の一番のお気に入りは「三人の年老いた泥棒」 世間に顔を見せてはならない泥棒を長年やってきたせいで個性を無くし、影だけになった老人泥棒3人組。今夜も何を盗むのか。話し合って決めたのは、ある特定のものだけを盗む作戦。これがとても綺麗なお話しで一番印象に残った。 〜他のお気に入り作品〜 「白い星と眠る人の彫刻」 SFチックなお話。空に浮かんだ途方もなく大きな白い星“サイロン”。この星が近付いてくることで起こる地上の乱れと変化。少し悲しいお話でもあるけれど、その後の展開で新たな視点が加わった時に感動やら虚しさやら『アルマゲドン』を観たあとの感情に少し似ていた。 「つづきはまた明日」 姉が弟のために内緒で「映画鑑賞旅行」のチケットを手に入れた。自由な旅をしつつ、1本の映画を夜の1時間だけ3つの街で連続ドラマのように鑑賞する三泊四日のツアー。そこで出会った“先客”に既視感を覚え、ある質問をすると…。『え、どういうこと?』が素直な感想だったけど、その不思議さがまたなんとも魅力的なお話だった。 「ジョーカーのサンドイッチ」 トランプのカードから抜け出したジョーカー。サンドイッチが食べたくて仕方がないと思っていたから神様がチャンスを与えてくださったと、食べ残しのサンドイッチを頬張るとある記憶を思い出す。 不思議なお話。そしてほっこり。実際にジョーカーの身なりをした人が居たらちょっと不気味だろうなぁと思いながら読み進めた。
- 2025年5月19日タスキメシ 五輪額賀澪借りてきた読み終わったタスキメシシリーズ、3作目-五輪- 「裏切られた後の景色も、そんなに、悪くないです。 裏切られた俺、結構、頑張ってます」 過去作の登場人物たちがぎゅぎゅっと出てきて、タスキメシシリーズを読んできた人なら所々で「あぁ🥲」となる今作。 千早と早馬や眞家兄弟の関係性も前作よりもずっと微笑ましいものになっていて、各々の成長を感じられた。 一、祈る者 選手村の食堂で焼き餃子が大人気。(P.100) 実際にそんな報道あったよなぁと思い出した。つい最近の出来事の様に思えるコロナ禍での東京オリンピック。こんな風に沢山の賛否と苦難と努力があって行われたのかと思うと今更感動。 努力は人を裏切るよ。ここぞというときに、裏切るよ。この男は、これから箱根駅伝の十区を走る千早に、そんな残酷な話をした。(P.148) 前作を思い出して涙。 「カッコいい社会人になったな、千早」(P.150) 前作を思うと良くここまでの関係性になれたなぁと涙。千早…大人になったね…。泣 ただヒントはあるんだ。彼はアスリートだ。〜…“HAKONE RUNNER”と言ってたんだ。(P.152) ちょっとした伏線回収? これも本当に素敵な縁だった。 二、選ぶ者 陸上の世界から一歩外に出れば、「優勝できないチーム〜…」(P.185) 同じ世界にいる人なら凄さが分かっても、関係ない人達からしたら実業団なんてただの部活で、優勝以外の結果は認めて貰えない。よく知りもしないで、なんの結果も出していないと決めつけられてしまう虚しさ。 似たような事を言われた事があったので、私まで悔しくなった場面。 「左ハムが〜…」(P.198) 腿裏のことを「ハム」と呼ぶ懐かしさ。この一言でエモさが爆発。スポーツやってる人の中でも陸上の人は特にこの言葉を使う印象。肉離れを「肉った」と言っていたのは私の母校だけかな。笑
- 2025年5月17日
- 2025年5月17日本を読んだことがない32歳がはじめて本を読むかまど,みくのしんオーディブル読み終わったオーディブルで。 「かまどみくのしん」って方なんだと思ってたらまさかの「かまどさん」と「みくのしんさん」で、別々の方だったのがまず衝撃。 1行ずつ感想を言っちゃうみくのしんさんと、ツッコミつつそれを見守るかまどさん。 走れメロス、一房の葡萄、杜子春、本棚 どれも新しい視点をみくのしんさんから教えて貰えた。 ただ読むだけでなく、全身で物語を感じ取っているかのような読み方にこちらも衝撃を受けた。 特に杜子春では『映画でも見てる?むしろその場に居る?まさか主人公?』と思うくらいの入り込み方で面白かった。 ラストの本棚では、雨穴さん登場で大歓喜。 オーディブル版では声がちゃんと雨穴さん✨️ そうであって欲しいと思っていたので本当に嬉しかった。 そして本棚のお話も短編ながらしっかりと構成が練られていて流石。読者の読了後まで考えて作っているなんて…ますます雨穴ファンになりました。 全話通して本当に本当に面白い1冊でした。
- 2025年5月13日私はチクワに殺されます五条紀夫オーディブル読み終わったオーディブルで。 竹輪の穴から人を覗き見ることでその人の死に様が見える。そして呪われる。 終始、『なぜ竹輪???』が常に付き纏う。 「ち!く!わー!」をオーディブルで聞いた時には思わず笑ってしまった…。 読み進めていくと少しの違和感。そして衝撃のラスト。これは正しく、竹輪サスペンス。 竹輪の穴は人に向けて覗いてはいけません。 ユーモア溢れるサスペンスミステリーで面白いお話でした。
- 2025年5月11日死んだ山田と教室金子玲介オーディブル読み終わった本屋大賞ノミネート作品。こちらもオーディブルで。 死んだはずの山田の声が教室のスピーカーから聞こえてくるお話。 合言葉のセンス、普通に会話してるクラスのみんな、男子校のノリ、下ネタにクスリ。 山田の誕生日を祝うお話では、オーディブルで聞くとかなりインパクトのあるシーンになってしまうけど、山田の立場を一番味わえるシーンでもあった😂 クラスの仲の良さにほっこりするけれど、段々と切なくなってくるのもこちらの作品の良さ。 ラスト、物足りなさを感じたけど“物足りない余韻”がまた絶妙。
- 2025年5月9日タスキメシ 箱根額賀澪借りてきた読み終わったタスキメシの続編〜箱根編。 前作同様、早馬目線でのお話や新しく早馬と関わる大学生達のスポーツ小説🎽🏃♂️ 『努力は、裏切る。ここぞってところで裏切る。 裏切られたお前は、ここからどうする。 裏切られた自分を、お前は愛せるか。 』 一、願う者 「わかるのに、理解できるのに、でも心がぴしゃりとシャッターを下ろしてしまうのは、やはりこの人が嫌いだからだろうか」 いくら正しいことを言われたとしても、相手次第ではこっちの受け取り方も変わってくるよねと共感。(P.62) 「競技の世界じゃろくに活躍できなかった」 早馬の言葉に自分を重ねてしまって心苦しくなった。(P.100) 二、挑む者 「みんなで箱根に行くぞ!箱根だよ!箱根!みんなで行こう!」 予選会での監督の激励。からのその後の展開に涙。(P.170) 「努力が報われる奴はただ運がよかっただけなんだって気づいた。努力は大体、報われないんだ」 努力すれば全て報われるわけじゃないよなぁ。むしろ悪い結果へ行くこともあるから本当にその時の運次第なんだろうなと思った。(P.209) 怒涛の涙腺崩壊(P.237、P.267、P.285、P.287) 今まで興味のなかった箱根駅伝も、来年はしっかり見届けようと思える作品でした。
- 2025年5月7日人魚が逃げた青山美智子オーディブル読み終わったこちらもオーディブルで。 1話1話全部に温かみとほんの少しの繋がりにほっこり。 2章 街は豊か では親子関係に最後少し涙。 3章 嘘は遥か ではミニチュアアートの田中さんが出てきて嬉しくなった。絵画のお話が出てくると青山さんの過去作、エスキースが思い浮かんで『まさか繋がってたりしないよね…』とか思ってみたり。 エピローグ で1番驚かされた。気持ちいいほど一気に伏線回収されて感動した。これは紙でも読みたい。
- 2025年5月3日入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてくださいギギギガガガ,寝舟はやせオーディブル読み終わったずっと気になっていたタイトルをオーディブルで。 不気味な表紙に対して内容はそこまでホラーを感じさせない、むしろ微笑ましい奇怪な日常。 毎日、友人から聞いた(自称)怖い話を語る隣人が可愛いなと思えてくるし、主人公の人の良さも伝わってくる。 もうずっとこのマンションに住んでて欲しいけど、大丈夫なのか…そこだけが分からないまま終わってしまってやや消化不良。だけど何故か心はほっこり。
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