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読了本の記録...✍️
  • 2026年1月10日
    とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    食と日常に関するエッセイ。 日常が綴られているだけのエッセイだけど、ほっこり出来たり、時にはほろりと泣けたり。 だけどそれだけじゃなくて、宮下さんの繊細さだったり、丁寧な暮らしだったり、感性が覗けて、綺麗な物語をかけるのも納得。だし、読み手にも気付きを与えてくれる1冊だった。 ・・・〜北海道のトムラウシに1年間移住したり、本屋大賞を受賞したり……。さまざまな変化があった6年半の月日を、「食」をとおして温かく描き出す。 ふっと笑えて、ちょっと泣けて、最後にはおなかが空く。やさしく背中を押してくれるエッセイ78編に、書き下ろし短編1編を収録。〜・・・ 【アップルクーヘン】 「林檎とバターのいい匂いがする」夫がうれしそうにいった。焼きたてを切り分けてふたりで食べた。素朴で、温かくて、涙が出るほどおいしかった。(P.16) 🍎息子さんが産まれて、1日がどこで始まってどこで終わるのかすらわからなくなるくらい疲弊しているのに、スキマ時間でお菓子を焼く宮下さん。『涙が出るほどおいしかった。』に、慣れない育児の疲労や、夫が子を連れ出してくれてようやく自分時間を作れたことへの安堵が混ざっている気がしてほっこり。 【クリスマスの夜】 ママはもう一生分のプレゼントをもらっちゃったんだよとむすめを抱きしめた。プレゼントは今、にこにこ笑って目の前にいる。(P.23) 🎄ママへのクリスマスのプレゼントもサンタさんに頼んでおいたよ、と手紙に書いていた娘。翌朝のやりとりに幸せなクリスマスの雰囲気が残っていて心が温かくなった。 【フムス】 宮下家のおせちに入れるというフムス。(P.26〜28) 🍱初めて聞いた食べ物だけど美味しそうで、我が家も挑戦してみようと思った。 【栗ご飯】 そんなこともあるんだと驚いたお話。(P.31) 🌰悲しいはずなのに、なぜかほっこりする。 【大きな鍋】 大きな圧力鍋で材料を煮込んでから、中くらいの鍋に取り分けて、スパイスや辛さを控えたカレーをつくる。成長するにつれて子供たちの食べる量が増え、中鍋に取り分けるのは大人の分になった。(P.33~34) 🍛宮下さんみたいな丁寧な暮らしに憧れるけど、私の性格ではきっと無理。子供用と大人用の2種類のカレーを手作りで用意するのも尊敬。(我が家の子供用はアンパンマンのレトルトカレーが定番😓) 【失敗ごはん】 笑われたことのない人は脆い。失敗したことのない人は危ない。一度失敗したことは、繰り返さない。同じところではつまずかなくなる。(省略)恥ずかしかったり、悔しかったり、そういう体験が人を強くする。そして、その打たれ強さこそが、人を遠くまで歩かせてくれるのだと私は思う。(P.45) 😢良い母ちゃんすぎる。私もこんな対応ができる母親になりたい。人としても親としても尊敬できる宮下奈都さん。神。 【お正月のカレー】 「子供たちのことは、とにかく食べさせることさえ考えてあげればいいんです。それ以外は、自分の体調を優先させてください。」(省略)ほんとうに体調の悪いときに、子供のごはんをつくれるだろうか。(省略)うつ病だと診断されても、人に食べさせることが義務付けられている母親業とは、なんと重い任務だろうか。「とにかく食べさせること」、その裁量は母親に任されている。(P.52) 🧑‍🍳うつ病と診断された友人と主治医の先生の言葉。それを聞いて自分だったら…?と考える宮下さん。母親業のリアルな悩みすぎて刺さるお話だった。 【虎のバター】 ちびくろさんぼのお話。(P.95) 🧈このお話が出てくるとどうしても柚木麻子さんの「Butter」を思い出してしまう。 🐯次男くんのピュアさにクスリと出来て、ほっこりなお話だった。 【キャンプの朝】 「コーヒーってこれからのための飲みものって感じがする。紅茶はどちらかというと振り返るための飲みものなんじゃないかなぁ」(P.115) ☕️私もコーヒーはもう少し頑張りたい時や一日を頑張りたい時の午前中に飲むことが多い。紅茶はゆっくり過ごしたい時。なので、なんかわかるなぁと共感。 🏕️このお話は中学生の息子さんたちの『コーヒー体験』でもあり、幼い頃は苦さに顔を顰めていたけど、寒い山のキャンプで飲んだ朝コーヒーを「美味しかった」と答えた。息子さんたちの成長がみれたような気がして自分の子さながらのもどかしい様な気持ちが味わえた。(P.117) 【トースト】 各自でやればいいのにとは思わない。ひとりひとりのリクエストに応えながら、この朝のにぎやかなひとときがどれほど貴重で楽しいことかと思う。この子たちも(省略)自分でトーストを準備する日が来るのか。まだしばらくは誰も巣立たない子供たちの未来を想像して、胸がいっぱいになったりするのだ。(P.138) 🍞朝の忙しい時間に家族からのバラバラな注文にもしっかり応えてあげる宮下家のママ。こんなママのいる家なら早起きして朝ご飯が食べたくなるだろうし、家族との時間もご飯の時間も楽しめる環境を自然と作り出せているのに感心。まだ手のかかる子供たちの将来を見据えて暮らしているのもまた尊敬。そんな幸せな時間がずっと続いていてほしいと読み手にも思わせるお話だった。 【公園のホットワイン】 一杯のホットワインの温かさに涙が出て初めて、私は自分がつくづく疲れていたのだと知った。(P.173) 🍷冬の寒い日でも幼い子供をベビーカーに乗せてブランケットをたくさんかけて公園へ連れて行くのが良い母親の務めだと思っていたと語る宮下さん。いつまでも砂場で遊んで帰ろうとしない息子さんに付き合っていたものの、急にむなしくなってベンチへ。その時に遭遇したおじさんから分けてもらったホットワインに癒されたお話。あまり細かくマイナスなことが書いてある訳ではないのに、初めての育児への疲れや他人との関わり合いを遮断された生活へのストレスがこのお話を通じてひしひしと伝わった。 【おついたち】 毎日、学校から帰ってくる子供を迎えて、「おかえり」と声をかけるとき、胸は弾む。よく帰ってきたね。今日も一日元気でがんばれたね。(省略)外では楽しいことばかりじゃないだろう。辛い目にだって遭うだろう。それでも、家に帰ってくる。うまくいかなくても、悲しいことがあっても、なんとか乗り切って帰ってきたことをよろこびたい。(省略)あたりまえに来ると思っていた日を迎えることが、あたりまえではなかったのだと知ったから。会えなくなった人のことを思う。会える人のことも思う。会おう。会えることをよろこぼう。(P.183) 🗓️このエッセイの中で一番と言っても良いくらい好きなお話。毎月1日を祝う母を疑問に思っていた宮下さん。大人になって、子供が産まれて、自分が母親になってようやく「おついたち」の意味がわかる。この習慣を知らなかったので最初は宮下さんと同じ気持ちだったけど、このお話の締めを読んだら激しく同意。本当に“当たり前ではない”んだなってこの歳になってようやくわかった。娘が毎日元気に幼稚園から帰ってきてくれる。それも当たり前ではない。「元気に帰ってきてくれてありがとう」なんだなと気付かされた。
  • 2025年12月27日
    366日
    366日
    HYファン必見の作品📕 366日からインスパイアされて作られたこの作品はHY「366日」そのもの。 〜沖縄の高校で出会った美海と湊。 母を失い絶望している湊を元気付けたのは、美海の笑顔だった。やがて恋に落ち、時を重ね、こんな日々がずっと続けばというふたりの願いを、一瞬で奪う悪夢が湊を襲う…。 あなたは最後を誰と過ごしたいですか?本当の幸せとは何ですか?〜 💔『こんなに苦しいなんて、知らなかった。知っていたら、恋なんてしなかったのに。』(P.3) プロローグ〜最高。初っ端のこの2行が良すぎる。 ❤️‍🩹『恋ってもっと、キラキラしたものだと思ってた。好きな人を想うだけで、日常が華やいで、嬉しくて楽しくて、幸せで。でもそれって、両想いでいられる間だけの、期間限定の感情なんだ。失恋したら、幸せだったころの何倍も辛くて悲しくて苦しい思いをしなきゃいけない。(省略)恋なんてしなければ、こんな苦しい感情、知らなくて済んだのに…。』(P.9) 付き合って2週間の先輩彼氏に振られてしまった娘の陽葵が、母の美海に相談している場面。人を好きになったことを後悔する娘に対して「恋をして誰かを好きになるって、とっても素敵なことだよ」と言って聞かせる母。 思春期真っ只中のごたごたと、酸いも甘いも知り尽くした大人の助言。素直に語り合える親子関係にもほっこりさせられた。 🎵『最近お気に入りのHYのアルバムを流す。』(P.18) 私の青春でもあるHY。わかってはいるけど、やっぱり物語の中に出てくると嬉しくなる。 😢『これが、恋なんだ…。(省略)大好きな曲も、恋をした瞬間、切なくて苦しくて、泣けてしまう曲に変わった。』(P.38) 恋を知った高校時代の美海。この辺の表現が特にエモくてたまらなかった。 💖『あなたを愛しています。365日じゃ足りないくらい。』(P.101) この作品を象徴する一文。 🌌『立ち止まった琉晴が、ゆっくりと振り返る。夜の闇に紛れたその顔は、やっぱり知らない人のような気がして、ドキリとした。』(P.152) エモさを強く感じた部分。 👵「自分の好きなものを、忘れたらだめだよ」(P.206) 湊の祖母の言葉。好きなものって時間と共に忘れちゃうこともあるからハッとさせられる一文だった。 🗼陽葵が湊に会いにいくところから涙が止まらず。(P.215~) 🔚登場人物全員の心の内側を知ることが出来て、より感動。映画よりも小説の方が「366日」の歌詞を強く感じられる作品だった。
  • 2025年12月20日
    かわいそうだね?
    積読くじ10冊目📕 恋人が元カノを居候させると言い出したのに対して色々とモヤモヤする樹理恵を描く「かわいそうだね?」と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の中編2作が収録。 綿矢りささんの作品はこれが初。 女性目線のあるあるを鋭く描いてるイメージを勝手に持っていたので答え合わせをするような気持ちで読み始めた。 《かわいそうだね?》 💁‍♀️読み始めて早速違和感。彼氏の隆大が海外育ちで外国の感覚が強めだからか、なんか妙に共感ができない… そして主人公の樹理恵にも違和感。『本当にそれでいいのか?』と言いたくなる。 💔隆大の家に居候する元カノ・アキヨと、それをよく思わないので追い出そうと考える自分を「火垂るの墓」に登場する“西宮のおばさん”に重ね合わせて考える場面。(P.67) ようやく共感できると思ったら火垂るの墓… SNSでも時々、西宮のおばさんの対応について議論されるけど、私は嫌い派。大人気ないおばさんを見ていると嫌気がするので嫌い。 🧑‍🧑‍🧒「大人になっても心が広くなるわけじゃなくて、いつまでたってもごく一部の人間、本人を軸にしてコンパスで描いた小さな輪の内側にいる人々しか“身内”と思えないのだなと感じた」(P.68) 悪者にしか見えない西宮のおばさんだけどここの部分は共感ができて、結局私もおばさんと同じ心理なんだなって気が付いた。 🚗 「ドライブの時〜・・・バックするときのドライバーのお男性の仕草がセクシーと言う女性は多い。しかし私は〜・・・日の光に目を細め、運転席の庇(ひさし)をかざしたり、日陰に入ると戻したりする仕草がセクシーだと思っている。」(P.111) なんだか妙にリアルなところをついてくるなぁと共感。これにプラス、サングラスをかける仕草が入っていたら「それそれ!」と強く共感出来たのになぁなんて。笑 🧳旅行にて隆大のケータイを盗み見る場面。(P.119) 浮気を疑う女性あるあるな行動だなぁと思いつつ、その内容がまたなんかリアル。 📩アキヨに対して最初から『なぜ?』と思うところはあったけど、このメールのやりとりからしてこの女性があざとい・もしくは計算高い女認定。(P.120~P.129) 🫣「自分のメール思い出してキャアアってなるなんて、意味ないにも程がある」(P.131) ここがまた凄くあるあるな場面。歯磨きとか髪乾かしてる時に不意に思い出して『うわぁ〜』ってなるの、なんでだろうね? 💢遂に樹理恵がブチ切れる場面は読んでいて爽快。 『そうそう、女ってこうでなくちゃ!』って言葉の連続で、最後の最後にようやく気持ち良く読み進められた場面。(P.141~P.156) ⭐️最初は海外育ちの彼やそれに寄り添おうとする主人公の姿に疑問しかなかったけど、だんだんと共感できる。なんなら終盤はほぼ共感。リアルな女の感情を見せられた。 そして、最初のイメージと最後のイメージの変化。私は違うと思っていたけど、実はおなじだった…みたいな感覚。なんだか火垂るの墓の西宮のおばさんの時と同じ構造だなぁと。(以下この現象を【西宮のおばさん構文】と呼ぶ) 《亜美ちゃんは美人》 さかきちゃんは美人。だけど亜美ちゃんはもっと美人。亜美ちゃんはさかきちゃんの真似をしているのに、周囲からはさかきちゃんが真似してると思われがち。容姿が優れているってだけで何でも優遇され、スクールカーストでもそれが著しく力を発揮する。 🙋‍♂️亜美ちゃんの彼氏が体育祭に来てみんなに紹介する場面。(P.169~P.172) 紹介される前から目を惹きつけられる男性が亜美ちゃんの彼氏だとわかってしまった瞬間のさかきちゃんの反応がとても好感を持てた。亜美ちゃんのことを好きになれないさかきちゃんは皮肉にも亜美ちゃんと馬があってしまう。この場面が一番強くそう感じた。 💞「そうなんですよ、敏腕マネージャーです。今日の飲み会も、亜美に近づいてくる男の人が来たら、はねつけちゃいますからね!」(P.175) この悪気がないであろう一言で周りの男子たちのさかきちゃんへの態度が決まってしまった瞬間。切なすぎる。男子達のその後の言葉もまた酷いもんで、さかきちゃんをこの場から逃がしてあげたくなった。 ❤️‍🩹「私が笑っていさえすれば、本当に楽しんでると思い込んでる。人の痛みが分からない子だ。」(P.177) ここはもう共感の嵐。何も言い返せない場面で好き勝手言われて、もう少しこっちの気持ちに寄り添った言動してよ!って心の中で凄く思った。 👿ときどき現れるブラックさかきちゃんが痛快。(P.178) ⁉️大学を卒業して就職した2人。亜美から「新しい彼氏ができた」と言われて会いに行く。待ち合わせ場所に現れた亜美と彼氏にさかきちゃんは驚く。(P.205~P.211) 🤨「本来眉毛のある位置に眉毛がなく、薄いねずみ色だった。剃っているのだろうが、なぜ剃らなければいけないのかが分からない。」(P.212) さかきちゃんの着眼点が鋭すぎる。私もこのタイプの眉の剃り方をする男の人が苦手。ロクな人じゃない感じがさかきちゃんのフィルターを通してビンビンに伝わってくる。 🔚 結局このお話も最後まで読んでみたら【西宮のおばさん構文】に私はなった。共感が出来ない(しづらい)、複雑、なイメージから読み進めていくとある時を境に共感が出来ていたり、自分もよく考えたらそうかもと気付かされたり。綿矢りさマジック。 そしてあるあるな細かい描写が多くてとにかくリアルなのでイメージも湧きやすかった。 結果、綿矢りささんの作品は女性目線あるあるばっちりでした。特に今作「亜美ちゃんは美人」が共感の嵐。すごい。
  • 2025年12月11日
    人間椅子
    人間椅子
    Xで見かけて気になった「人間椅子」 こちらの乙女の本棚シリーズをお勧めされて、気になったので探してみたらなんとデジ図書にあったので即借り✨ 『・・〜私の膝の上には、いろいろな人が入りかわり立ちかわり、腰をおろしました〜・・ 作家である佳子に届いた1通の手紙。「奥様」と始まるその文章には、ある椅子職人の生活が綴られていた。』 🪑読み進めるうちに『これはもしや…』と思ってくる。椅子の中に人間が入っているなんて誰も思わないし、思いたくもないよね。 ✉️2通目の手紙が最大の問題。本当のところはどうなのよ?と問い詰めてやりたくなる。けど、どちらにせよ、こんな手紙を出してくるような男とは関わりたくないと心底思った。
  • 2025年12月10日
    満月珈琲店の星詠み 〜星遣いたちの夜〜
    シリーズ7作目📕 鳥取・長野・失恋・生きにくいと感じる…このキーワードにピンとくる方は是非こちらの小説を手に取って欲しい。 各章を読み終えた後に心がスーっと軽くなっていくようなお話ばかり。 今作、過去一好きでした🥲💓 🌕今作、①〜⑥巻までの繋がりはほとんどなく、本当に“新たな章の始まり“って感じがした。 ただ「桐島」。この名前がずっと引っかかっていて。 「桐島」「写真」「モテ男」といえば④巻にも出てきたあの人…。でも繋がりが読めない。かと言って全く繋がりがないのに新作⑦巻で同じ名前は使わないよな…なんて思ってみたり。次回作とかでこの「桐島」について語られる章があることを期待。 ☕️今作もやっぱりフード&ドリンクがとても良い✨ 2章に出てきた「高原のゼリー」は私も実際に阿智村の満月珈琲店で食べたので、お話の中で登場して超超超超⭐︎歓喜⭐︎ この2章に至っては私との共通点が多くあって、凄く共感出来るお話だった。しかも泣けた…。 過去作含め、このお話が一番好きになりました。 🐈3章での結婚観について語っている場面。これも過去の私と同じだったので共感。 🎵星遣いが『You Raise Me Up』を歌っている場面があったので、私もYouTubeで検索して聴きながら3章を読んでみた。…曲に合わせて、ワケのわからない所で泣ける。(誰でも聴いたことがあるであろう曲なので聴いてみてね。※この曲のYouTubeコメント欄を見ちゃうとより泣ける😭) 今作良すぎて、あっという間に読了しちゃってロス💔 このシリーズ、やっぱり最高だなぁと改めて感じた。
  • 2025年12月4日
    仮面病棟
    仮面病棟
    積読くじ9冊目📖 “療養型病院に強盗犯が籠城。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は強盗犯に撃たれた女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る。現役医師が描く〈本格ミステリー✖️医療サスペンス〉” 🏥序盤、速水が先輩医師の紹介で当直バイトを引き受けている病院先に入るシーンでのこと。(P.12) 『ん?』と思う人物出てきちゃってるよね…。これ隠すつもりなしのやつ?と思いながら読み進める。 👨‍⚕️「いやあこんな日に限って、私が診療報酬明細のチェックで残業していたのは不幸中の幸いでした。」(P.53) あからさまに怪しいやつ(医院長)がまた出てきちゃった。言動が全て怪しい。とにかく怪しい。 👩「・・・よかった」(P.115) ピエロと人質達との争いの場面。 治療してもらって速水にすっかり懐いた愛美のこの一言。それは何に対しての「よかった」?? 登場人物全員が怪しくて何か隠していそうな雰囲気。 速水は愛美につけ入れられるのが早い。 愛美は得体が知れなさすぎる。 医院長はあり得ないくらい怪しい。 看護師2人も医院長にくっつきすぎ。グル感満載。 不信感がほぼ全員にありつつ、時々くる緊張感漂う展開に読む手が止まらなくなった。 これはどんでん返し…?んんー。 読み進めていくうちに、正直ラストの展開はほぼわかる。読了後の衝撃度は低かった。 けど物語の途中、これから何が起こるのか、ヒヤヒヤドキドキの展開は良かった。一気読み必至の楽しめる作品。難しく考えることもなく気楽に楽しめて、尚且つ読みやすかったのもまた良かった。 実は映画の方も気になって読み途中で映画を観るという意味不明な楽しみ方をしたけど、映画は映画・小説は小説でそれぞれ楽しめる作りだった。
  • 2025年11月29日
    金閣寺
    金閣寺
    積読くじ、8作目📚 ー「美は・・・・美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか?ー 正直読み始めはかなり苦戦。難しい…。 中盤くらいからは何となく理解出来てきて、後半はチャットGPTの力も借りつつ無事読了。 三島由紀夫という人物は「自死の仕方が大胆」なイメージしかなかったけれど、「三島文学」に触れてみて三島由紀夫の思想にも触れているような気がして考え深かった。 🔥「俺たちが突如として残虐になるのは、たとえばこんなうららかな春の午後、よく刈り込まれた芝生の上に、木洩れ陽の戯れているのをぼんやり眺めているときのような、そういう瞬間だと思わないかね。」(P.135) なぜだかここの部分が三島由紀夫らしさ(生き様)を感じた。 〜ここからはチャットGPTとの会話を抜粋〜 👩 旅行、凶。西北がわるし。と書いてあるにもかかわらず、西北へと旅をしようと決めた場面。天邪鬼な行動をしているのに御神籤で行き先を決める神頼みな一面が幼稚さと苦しみを描いているような気がして複雑だった。(P.229) 📱・運命に逆らうことで運命に従おうとする。反抗まで含めて、神頼み になっている。 ・幼稚さの正体は🔸御神籤に従うと「神のせい」🔸御神籤に逆らうと「逆らった自分は特別」どっちにしても、溝口は 自分を特別な存在にできる。だから御神籤に依存する。 ・苦しみの正体、「俺はただの負け犬じゃない」という幻想を作る。御神籤はそのための道具。 🔥この矛盾が金閣寺を焼く衝動につながる 👩 神隠しにあったように消えよう(旅に出よう)とする溝口。誰からもみないふりをされる溝口。自分を金閣寺の一部だと思っていて、そこから自分一人だけが奪い去られる必要があると思っている。なんだか溝口が少し気の毒に思えてきた。(P.229) 📱・ 自己否定と自己救済が同時にある。👉 無視される普通の消失ではなく、意味ある消失にしたい。 ・「他人が自分を無視している」👉 世界に拒絶された少年が、絶対の美に愛を求めている。 ・ 「自分も金閣寺の一部だ」これはとても切ない発想。家族にも所属できない、社会にも所属できない、友人にも愛されない。だから美にだけ所属しようとする。そこから「一人だけ奪い去られる必要がある」と感じるのは、愛しているのに拒絶される痛みの裏返し。 ・溝口は、自分の居場所をどこにも見つけられなかった。👉生きる意味を「金閣寺」という幻想に依存するしかなかった。 👩 「私の胸は高鳴った。出発せねばならぬ。この言葉はほとんど羽ばたいていると云って良かった。私の環境から、私を縛めている美の観念から、私の轗軻不遇から、私の吃りから、私の存在の条件から、ともかくも出発せねばならぬ。」ここが結構好きだなって思った!溝口の全てが詰まっているような気がして。早く解放されたいんだろうなぁと。とにかくワクワクしている、心浮かれている溝口が想像できた。(P.230) 📱 ・「私を縛めている美の観念から」👉美こそが彼の呪いであり救い。 ・あなたはこう言った「とにかくワクワクしている、心浮かれている溝口が想像できた。」 その「ワクワク」は、希望だけのワクワクじゃない。苦しみに押し潰されて、ようやく手にした『抜け穴の興奮』に近い。 👩 「母を醜くしているのは希望。汚れた皮膚に巣喰っている頑固な皮癬のような希望、不治の希望であった」といっていたけど、母からの期待が溝口にとって重荷に感じていた?そんな母への嫌悪感を身体中がむず痒くなるような気持ち悪さ(比喩として皮癬を述べた)をいっているのかな?(P.252) 📱 ・皮癬(ひぜん)という比喩の気持ち悪さ。この比喩は三島が“母への嫌悪”を身体感覚にまで落とし込んだ表現。 ・「母の希望」が溝口にとっての呪い👉期待されることが、彼の自己嫌悪を刺激する。 ・母への嫌悪+自己嫌悪の投影👉溝口は母が嫌いだから醜く見えるのではなく、自分自身が満たされていないから、母の希望が痛みとして返ってくる。 ・母の希望は優しさの形をした“圧迫感” であり、溝口の孤独をより深くしていく。 👩 溝口は金閣寺を燃やす前に童貞を捨てておきたかった?捕まる、または自死しようとしていたから、その前の思い出作りって感じなのかな?そしてやたらと女性の中に有為子の影を探しているよね。(P.279) 📱・性欲そのものよりも “存在の証明が欲しい” という感情 に近い。性体験は「人としての完成」みたいな象徴に見えてしまう👉性を「存在の確かさ」として求める、という歪みだね。 ・「思い出作り」ではなく、“存在を確かめる儀式”👉 「自分はちゃんと生きたのだ」と確かめたい衝動 が強い。 ・なぜ溝口は「女性の中に有為子を見る」のか👉 「現実の女性」ではなく、「理想の美」を探している ということ。溝口は人間の女を好きなのではなく、「美のイメージ」として追い続けている。つまり、女性を「人」としてではなく、美の容器(器)として扱ってしまう。これは溝口の“美への歪んだ信仰”から来ている。 👩 「私は金閣寺を築いたおびただしい官能的な力の棲家だと思うのであった」 これはどういう意味?金閣寺は美の象徴だったのに、金閣寺の中に官能的な力が住んでいるって…「官能=美」でもあるのかな?(P.321) 📱・まず、「官能」はエロさだけを指す言葉じゃない👉 「官能的=性的」というのは一部でしかなくて、 文学的には“美に対して身体ごと震える感覚”みたいなニュアンスが大きい。 ・金閣寺は「完全な美」=「人を圧倒し、支配する官能の力」👉美は官能と同じくらい人を支配し、狂わせる力を持っている。だからあの一文は、金閣寺には、美(=人を圧倒する官能的な力)が宿っている。『そこは官能のエネルギーそのものの住処だ。』という意味。 ・金閣寺は溝口にとって🌟美の象徴🔥官能の象徴⚡️支配と強迫の象徴。全てが重なっている存在。だからこそ、彼はあれほど金閣寺に囚われてしまう。 🚬そしてラストのあの一文。(P.330) なんだかやるせない気持ちになった。 溝口に幸あれ。 🔥「三島文学」について ・三島文学=「美」と「生」と「死」の三角形をめぐる文学。 もしかしたら三島自身が何かコンプレックスを抱えていたのかなぁと感じさせる。 作中に出てくる柏木という変わった男もまた身体的ハンデがあるにも関わらず、それを武器として扱っている強さを持っている。そこに憧れる?溝口も本当はそうなりたいと思っているんじゃないかなと。 「その後の溝口がどうなったと思う?」ってテーマで読んだ人に聞いて回ったら、十人十色の回答がありそうで面白そうだなぁなんて。
  • 2025年11月22日
    優等生は探偵に向かない
    優等生は探偵に向かない
    前作(自由研究には向かない殺人)に引き続き、高校生のピップが魅せる推理に完敗。今回新たにポットキャストやSNSを使った調査にワクワクさせられた。 友人の兄の失踪の裏に隠された真実に『よく出来たミステリだなぁ』と感心。 次回作、早く読みたい!けど…。 ただならぬ不穏な予感にドキドキ。 みんなハッピーエンドであれと願うばかり。 (前日譚を先に読んでいるので、「あとがき」にて書かれていた内容から嫌な予感がしている。) 🕵️‍♀️前回の事件で友人の心のケアをしつつ、新たな事件に挑むピップ。少なからず自身も心の傷が癒えていないはずなのに…。その中でもやはりラヴィの存在はピップにとってかなり癒やしなんだろうなと感じる部分が作中に沢山あって良かった。 🕵️‍♀️狭い街だから、身近な人から意外な証言が得られたり。そこで繋がってくるんだ…と驚かされる展開ばかりが待っているので読む手が止まらまくなった。 🕵️‍♀️後半に行くにつれてピップの精神状態が心配に。読んでいて文字の配置からも不安定さが伝わってくる。 🕵️‍♀️「約束する。ピップもだよね?」「がんばってみる」P.531 …いや、もうフラグですやんー!!!!!!!!! 物語の締めもまた不穏。これは3作目はやく読まねば。
  • 2025年11月12日
    ある日、森の中で クマさんのウンコに出会ったら
    『もともとクマが好きで研究を始めたわけではない。 卒論で扱うにあたり調べるうちにクマの魅力にどっぷりハマり、気がついたら研究者になっていた』 そんな作者さんのクマ研究の道のりをまとめたエッセイ。 近年、クマの被害が深刻化してきて、他人事では済まされないなと感じ始めた私。 たまたまXで見かけたこちらの1冊に興味が湧き、即図書館で予約。 🐻「はじめに」がもう既に読んでいて面白い。目次をみて、また更に面白い。興味が湧くようなタイトルばっかり!ワクワクしながら読み始めると、読みやすい&面白い!で読む手が止まらずあっという間に1章読了。 最近読書時間がまともに確保できない私でも短時間でサクサク読み進められちゃうくらい面白い内容。 【1章 ウンコを集めて卒論を書く】 🐻『原則としてクマが食べるために生きた人間を襲うことはない。ただし、死体はたべるかも』P.21 ここ最近はクマの人身被害や目撃が後を立たず、遂に自衛隊まで派遣されるレベルになってきたから、生態系の変化が本当に加速しているんだなと恐ろしくなった。 🐻『11月〜12月頃に冬眠、翌年3月〜5月に冬眠を終える。…冬眠中に飲まず食わずで出産。繁殖期は5月〜8月。晩秋に着床。もし、秋に十分な栄養を蓄えられなければ、受精卵は着床できない。』P.21~22 今年は山での餌が不作の年。って事は、この冬には子グマの数が少ないのかどうなのか…。読んでいてそればかりが気になった。 💩『クマのウンコは食べた物の匂いがする。桜の花や実を食べたあとのウンコは桜餅、植物の葉を食べた後ならお茶の葉のような匂いがするのだ。』P.24 …いや、面白過ぎるでしょ。ってのが私の感想。その後の岩手のクマ研究者との会話はなかなか衝撃。(面白い) 🐻クマ棚・・・クマが木に登って枝先の方になっている果実を貪り食った跡。枝ごと強引に手繰り寄せるため、不自然な形に曲がったり折れたりして棚状に固まっている。P.38 これは知らなかったし、多分見たことがある。鳥の巣だと思っていた物がまさかのクマ棚…😨この冬、クマ出没多発地域で葉の落ちた木々をよーく観察しようと思う。もちろん、山には入らず遠くから。 💩ウンコの中のタネを取り出してプランターに植えて発芽させ、予想した植物と合っているのか確かめたり、鳥のくちばしだと思っていたものが実はクマの爪だったり。ウンコから得られる情報の多さに感動。研究万歳🙌P.47.48 【2章 俺はクマレンジャー】 🐻『別にクマは鈴の音を嫌っているわけではない。人間を避けているのだ』P.67 鈴の音が嫌なのかと思っていたけど、「鈴の音=人間」という認知があって避けられていたんだと知れたけど、最近のクマは鈴の効果なしらしい。クマにとって人間を恐れる対象じゃないと認識したってことなのか、鈴をつけていると逆に居場所を教えているようなものなんじゃないかと心配になった。 🐻『針葉樹の上も森のクマ達の間で人気がある。』P.92 あんなに大きな重たい体で軽々木に登って休むなんて信じられないし、知らずに木の下へ人間が入っちゃったら…と考えると恐ろし過ぎる。 ーキリがないのでここからは厳選ー ・どんぐり凶作の年には行動範囲が広くなる ・短期間(秋)でかなりの食べ物を食べる。そのため凶作年はクマたちにとってどれだけヤバいことか。(9〜11月に1年の80%のカロリー摂取をする。) ・クマハギ(木の皮を剥いで舐める)はどんぐり凶作翌年の夏や、暖冬の年の初夏に多い。 ・食べ物の好みが家系それぞれ。(肉を母グマが食べれば子も食べる。) ・石油、石炭ペンキ、シンナー、防腐剤の匂いが大好き。 『過疎化でクマとの遭遇が日常化』 この目次ページに書いてあることが今まさに起こっている問題そのもの。 「状況が変われば鈴の意味も変わる」 人間が居るから避けとこ〜から、ここに餌がありますよ〜の意味に変わるのは気付いていたけど恐怖。 クマの糞は「多様な動植物の糧であり、この森の明日」という最後の締めの言葉にグッときた。 出会えば怖い動物No. 1なのは変わらないにしても、森でひっそり暮らしているはずのクマがなぜ人里に出てきて、木の実や草花を食べるはずのクマが人間を食べるのか。それを小池さんの研究を通して深く考えさせられた。森にいる動植物は死んでも森の一部になって自然を豊かにしてくれる。一方で人間は?森を奪い、管理もろくにしない(藪や食糧や燃料等)、死んでも自然に還らない。クマ側からしたら一番害なのは人間なんだろうなぁなんて思ったり。もちろん人を襲うことは許される事ではないけれど。 この本をきっかけにクマの研究や植物の研究に興味が出る人も多そう。それくらい小池さんのユーモアと研究の成果が面白く書かれていた。 「クマに興味を持ってくれたら大成功」と書かれていたけど、まんまとハマったヤツがここに居るので、小池作戦は大成功。
  • 2025年11月5日
    受験生は謎解きに向かない
    受験生は謎解きに向かない
    ピップシリーズ「自由研究には向かない殺人」の前日譚。 “高校生のピップに友人宅で架空の殺人の犯人当てゲームの招待状が届く。舞台は1924年、孤島に建つ大富豪の館という設定で、参加者は同級生とその兄の7人。当初は乗り気ではなかったピップだが、次第にゲームにのめり込んでいき…” 登場人物達が役になりきって、役名で話が進んでいくから人物把握に苦戦はしたものの、1作目しか読んでいない私でもしっかり楽しめる1冊だった。 ・登場人物達の名前と役名が全然頭に入らず。この友人達はのちの作品にも登場するらしいので覚えておきたいけど…自信がない。 ・ピップの謎解きに感心させられた。相変わらず鋭い目線。ゲームを考えた人も凄いけど、なにより作者さんが凄い。作中には1作目を読んだからこそ分かる意味深な場面があったりとワクワクが止まらないだけじゃなく、2・3作への期待値も爆上がりになる作品だった。また、物語の長さもちょうどいい。
  • 2025年10月28日
    羊と鋼の森
    羊と鋼の森
    調律師のお話🎹 どの世界も極めようと思うと奥の深さに挫けそうになったり迷う時もあると思う。それを『森』に例えるなんて、なんて素敵なんだろう。 この作者さんの描く物語は表現が凄く綺麗で読んでいて胸がときめく。 作中に登場する原民喜の一節、私も好きになった。 【「こつこつと守って、こつこつとヒット・エンド・ランです」 「ホームランを狙ってはだめなんです」】(P.16) ピアノに触れてこなかったから調律師という仕事もちゃんとは知らなかったし、こんなにピアノ自体が奥の深い物だとは思わなかった。 先輩の仕事を見て技術を盗んだり、お店のピアノで練習したり、ピアノに沢山触れることでこつこつ地道に極めていくしかない。ホームランを狙おうとすると調律が乱れてしまう。とても難しい世界なんだと知った。 【「祖母が作ってくれたミルク紅茶。小鍋で煮出した紅茶にミルクを足すと、大雨の後の濁った川みたいな色になる。鍋の底に魚を隠していそうな、あたたかいミルク紅茶。」】(P.19) 本当にこの作者さんは別のものを自然のものへ例えるのが上手すぎる!普通、大雨の後の濁った川なんか飲みたいと思わないのに、ここでその表現が登場しても嫌な感じがしないどころか温かみを感じるのがとても不思議。でもイメージが湧きやすくて、この作者さんの表現が本当に好き。 【「俺の見てる景色とは違うものが見えてるんだろうな」】(P.33) 山育ちの外村(とむら)は山に咲く花ならなんでも知っている。それが当たり前の外村に対して言った先輩の柳さんの言葉。同じ景色でも知識の違いで見えてるものが違うってやっぱり人それぞれの感性とかもあるだろうけど、育った環境が大きいと思う。外村の感性が結構すきだなぁと思ったのと同時に、ピュアな外村に不安にもなった。 【「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛(たた)えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」 「原民喜(はらたみき)が、こんな文体に憧れている、と書いていたのですが、しびれました。私の理想とする音をそのまま表してくれていると感じました」】(P.57) 文体に限らず、他の物に置き換えて考えてみると確かに深い言葉だなぁと。 【朝早く、森を歩いた。〜エゾマツの鳴らす音を、僕は知っている。だから懐かしいのか。だから魅かれたのか。】(P.154) 本当に自然の表現が綺麗!!!季節感や自然を感じ取りやすい文が凄く好きな私にとってここの場面は胸がときめいた。 【こどもだなんて言われたのも、生まれて初めてだった。〜なんだか気持ちが軽くなった。そうか、こどもか。わがままか。】(P.171) ここから外村の自我の芽生えというか、ここから始まったって感じがして良かった。 【わがままを究めればいい。】(P.172) わがままになれるくらい、自分があって、主張したいことがあるって素敵なことだと思う。今までの外村はそれを見つけられずにぼんやりと生きていたんだなと思うと、ここで目指すべき道が見つかって良かったね😭と謎の親目線発動で感動。 【調律師になる。間違いなくそれもピアノの森のひとつの歩き方だろう。ピアニストと調律師は、きっと同じ森を歩いている。森の中の、別々の道を。】(P.183) 森🌳この表現が掴めそうで掴めない。なんとなくは分かるんだけど、明確に言葉で言い表せない悔しさ。私の語彙力、頑張れ。 表現が素敵なところがありすぎて書き出せないくらい本当に素敵な言葉の詰め合わせだったこちらの作品。 気持ちがわなわなする感じとか言葉で言い表せないような感情をすんなりと書いてあって、読みつつ気持ちの共感が止まらなかった。 宮下奈都さん、好きな作家さんの1人になりました。
  • 2025年10月16日
    Nの逸脱
    Nの逸脱
    普通じゃない、“逸脱”した人達のお話全3話。 どんでん返し?イヤミス? とにかくどのお話もスッキリしない。複雑な読了感。 でも先の読めない展開に引き込まれていく。 各物語の序盤から『何があった?』と思わせる作りにまんまとハマり、読む手が止まらなくなった。 暴力的な表現が多いからほんわか系が好きな方には向かないだろうけど、個人的には結構好きなジャンルだった。 🦎場違いな客 爬虫類専門店で働く篤。ある噂話をオーナーから聞いた時のことを思い出していた。 『もし、場違いな客がそれを買って行ったら、そいつはー』 序盤の序盤から物語へグッと引き込ませる文に先の展開が凄く気になって、どんどん読めちゃう。ペットショップでの出来事やその後に待ち受ける出来事、そして衝撃のラストに呆然。 👠スタンドプレイ 高校教師の智子は人気のない住宅街でタクシーを捕まえて乗り込んだ。座席の下で、破れたストッキングの足裏とハイヒールのインソールの間に挟まった砂利をひそかに払い落とし、不安を抱えながら運転手と会話する。黒いロングコートを着て、ハイヒールを履いた、背の高い痩せたマスク姿の女…まるで怪人のような自分は警察へ通報されるのだろうか… こちらもやはり序盤から展開が面白い。どうしたらその場面へ繋がるのか全く分からなくてワクワクしながら読んだ。 小学生の智子が書いた作文に「アルジャーノンに花束を」の小説を読んだ話があって『小説の中で別の小説が出てくるのって面白いよなぁ』とか思いながら読んでたら、後々その場面が重要になってきて、印象の残し方が凄いなと感心。(私だけかも) 物語の中盤「それがすべての始まりだった」の一文を見て、『え!?ここからが!?もう既に色々始まってたけど!?』となり、更に物語に入り込んだ🥹 ー私はきっと、逸脱したかったのだと思います。 ここでタイトルを回収できた様な気がして、“逸脱”の意味を深く考えさせられる。(Nの意味は分からない。) 🔮占い師B 中年オバハン出張占い師、坂東イリス。そして客として現れた一見有能知的で真面目そうな見た目の秋津。坂東は会話をしてみて気付く彼女の印象を心の中で口にした。『こいつ、見た目に反してバカである。』 もう面白い。この時点で面白い。秋津がとにかく面白い。坂東と秋津の掛け合いがテンポ良く進んでいくのでどんどん読める。途中「人の未来と過去が見えるのです」とカミングアウトする秋津。こちらもその先どんな話になって行くのか全く想像がつかない中で読み進め、終盤になってとんでもない展開になった時には『ひぇ〜』と若干引くくらいの衝撃さ。3作中、このお話が1番印象深いのもきっとその場面のせい。 緩急のかなり強い作品だったけど最後の最後には伏線回収も少しあって、登場人物たちの繋がりを楽しめもした。 そして何より坂東が1番好きだというタロットの〈吊るされた男〉のカード。これがいい味出してる。
  • 2025年10月9日
    静かな雨
    静かな雨
    記憶が残らないこよみと、そんなこよみと共に居ようと決めた行助。 妙にリアルな関係性の日常を覗いた様な物語に時々胸をぎゅっとさせられる。 物語全体がタイトル通りのゆったりとした穏やかさ。 街並みや自然の表現が個人的にとても好きだった。 【浮かない。つまらない。腹も減らない。こよみさんのたい焼き屋が閉まって、四月の空は色をなくした。】(P.32) この方の自然×心情の合わせ技で表現する技術が凄い。 気持ちも風景も頭の中でイメージができて、2度美味しいと言うかなんと言うか(語彙力) 【「あなたはあなたにとっての世界を立ち上げるために、学校に行ってるのではないかな」】 【「もしもまったく興味を持てないんだったらしかたがない。〜だけど、面白いと思えるものがあったら、それが世界の戸口なんだよ。あなたにとっては突破口かもしれない。いつでも開ける。そこからあなたは外に出られる」】(P.58) 高校生から相談をされたときのこよみさんの返し。 素敵すぎない?って思って付箋を貼った。私ももし子供に同じようなこと言われたら、この言葉を授けたい。 【「毎日の生活の中での思いで人はできてるんじゃないかと思う」】(P.82) 「人間ってなんでできてると思う?」と聞いた行助。すかさず「おっぱい」と答える姉も『母親だなぁ』と思うけど、結局は「記憶」だと言った。でもこよみには記憶が残らないから、『生きていく甲斐がないみたいじゃないか。』と嘆く。姉から逆に聞かれた時に「思い」と答えたけど、本当は「思い出」って言いかけたよね?絶対そうだよね?思い出も記憶も同じだもんね… 言いかけて気付いた行助。思いに変換することで自分を納得させているような気がして切なかった。 【「あんた、若い人の可能性を摘むようなことを言っちゃいけないよ。若い人には無限の可能性があるんだからね」】(P.87) 【どうして若い人には可能性があると、そんな乱暴なことを平気で言えるのだろう。確かに、何者かになる可能性もあれば、ならない可能性もある。銀行強盗をする可能性もあるし、しない可能性もある。そういう意味では無限かもしれない。】(P.89) 高校生の進路相談で大学へ行くか行かないかの話の途中でおばさんが口を挟んできた場面。大学へ行くことが必ずしも未来の可能性の選択肢を広げる術ではないし、むしろ高卒で働きに出た方が広がる可能性だってあると思うのに…これだから老人は🤷‍♀️と老人に厳しめな私。昔の人はきっと学歴が全てで表面的なレッテルしか見ないんだろうね。でも世の中蓋開けてみてみたら、無職や事件を起こす人って大卒だったりお堅い仕事してたりするよね… 行助がどうして…と思う気持ちがよく分かる場面だった。 【「ピアニストになるつもりはなかったから。ピアノの試験をされたり、順位をつけられたりするのは嫌だと思ったの。」】(P.90) 高みを目指そうとしてる訳でもなく、趣味で楽しくやりたいのに習うと必ず試験や順位で甲乙を付けたがる。勉強もそう。私もこれが嫌で中学からは学校へ行かなくなったし、こよみさんのこの言葉が当時の私の気持ちを明確にしてくれた気がした。 【明け方の雨に静かに泣いていたこよみさんを僕は忘れない。】(P.106) タイトルの静かな雨の意味がここにギュッと詰まっているような気がして、最後の最後に来た好きな場面。 物語全体が波のない穏やかな湖のような感じでゆったりと流れる日常。ちょっとした問題もあるけれど、お互いがいれば別に大したことないんじゃないかと気付く行助がとても頼もしくみえた。
  • 2025年9月26日
    ほたるいしマジカルランド
    遊園地で働く人々のあれこれ。 得意なこと、苦手なこと、良いとこ、だめなとこ、抱えてる事情も、考えてる事も、人生の目標も違う。全部違うから面白い。 欠点だと思っていた部分が光り出す時もある。そうやって気付いてくれる人もいる。 🎡月曜日 荻原紗英 “自分は「恥ずべき思考」で心をいっぱいにしてしまうあさましい人間なんだよな、とも思う” 容姿にコンプレックスを持ってたり、自信が持てなかったり、あの時〜だったら…とか考えて嫌になったり。 “そんな事ばかり考えている考えている人間には望みを実現することなど永遠に無理なのだ。” やりたいことがあるけれど『どうせ私なんか…』と足踏みしてしまうことがよくあるからこの紗英の考えに凄く共感できた。 「すごいまじめな子なんや。物覚えがよくて、細かいところによく気がつく。」 社長からみた紗英の評価は本人が思ってるよりもうんと良くて、本人に言ってあげてよ!って凄くもどかしく思った。 🎡火曜日 村瀬草 占いなんか信じていないと言う割に毎朝のチェックを欠かさない村瀬。ちょっと訳ありな過去を持っていて、地元には帰りたくないメリーゴーランド好き男子🎠なんだかちょっとツッコミどころの多い人。変なプライドが高いことを過去に付き合っていた人から指摘されたらしいけど、本当にその通りだなと。 “最悪だ、いや激悪で超悪だ” そう思わずには居られなくなるくらい恥ずかしい経験って誰にでも1回はあるよねと少し微笑ましくなった。 紗英との会話部分では村瀬の視野の狭さに驚き。自分の世界しか知らない感じがして、今まで周りとの接触を避けてきたんだろうなぁと感じさせる思考ばかりで少しイラッとも来る。 「なんでも難しく考えすぎ」だと言う社長。この社長、本当に社長なのか?と思うくらい従業員をよく見てる。 🎡水曜日 篠塚八重子 子供の頃からただそこに居るだけで不興を買うことがなぜかよくある八重子。自分と世間との間には、いつも少しだけズレがある様に感じていて、周りに上手く溶け込めず、何かあれば責められ、「母親失格」と元旦那から言われ、息子とも会えない八重子が凄く不憫でならなかった。不器用ながらに一生懸命生きている八重子のお話に涙。 「私の人生はとてもクソでした」 そう簡単に言ってしまえる野上さんの存在がまた何とも絶妙で、八重子の気持ちを一緒に分かち合える本当の相手にやっと出逢えたんじゃないかと安堵。 🎡木曜日 山田勝頼 ガーデナーで喋るのが苦手な山田。奥さんがハツラツな方過ぎて夫婦なのが不思議なくらい。娘に厳しく接するのが父親のつとめであり娘のためと思っていたのに、もっと違う接し方があったと気付いた時にはもう手遅れになってしまったお話は悲しくて堪らなかったし、こちらもまた不器用ながらに父親という役目に一生懸命だった事実に涙。このお話が1番好きだった。 🎡金曜日 国村佐門 自分じゃなくて「佑だったら」…と常に気を抜くと考えてしまう佐門。弟のように育ち、まるで家族同然の佑への嫉妬心を隠しながらプライベートも仕事もこなす佐門に尊敬。訳あり同級生の幹を「助けてやりたい」と思っているのにいつも手柄は佑。手が届きそうで届かないもどかしい感じが何ともリアルだなと。 彼女のあおいとの関係は唯一気を使わずに居られる心休まる場所なんだろうなと感じさせた。 🎡土曜日 三沢星哉 この人は初っ端からいけ好かない。親や祖父の臑齧りで考えが浅はか。環境がそうさせたのかもしれないけど、自分で学ぶべきことは沢山あったよね?と言いたくなった。けど、裕福な家庭ながら悲しい過去やメリットや見返りばかりを求めてしまう三沢に同情。マジカルランドの従業員たちが見捨てるような薄情者じゃなくて良かったね😭と最終的には安堵。 🎡日曜日 すべての働くひと 各ストーリーから徐々に伏線が回収されたその後のお話。何よりやっぱり山田さん!1番泣ける。 そして社長の「わたしは石が好きです」からの展開がもう最高すぎて…🥲こんな社長がいる会社は間違いなく働きやすいし、伸び伸び楽しんで働けるんだろうなと感じた。
  • 2025年9月20日
    神様の定食屋
    神様の定食屋
    定食屋を営んでいた両親が突然亡くなり、未経験の兄としっかり者の妹と神様の力を借りてお店を守っていくお話。 ファンタジーでユーモアのある登場人物たちにクスりとさせられたりうるっと来たり。 各エピソードも料理も抜群にいい物ばかりでした。 ☆一皿目 チキン南蛮 お客様のこともお店のことも料理のことも何一つ真剣に考えていない主人公(兄)。とあることから、神様にお願いした通りの人物が自分に憑依するように。 こちらの1話目ではキャベツの千切りすら出来ない兄にお世話焼きおばちゃんが憑依。料理の作り方から相手を思う気持ちまで教えてもらい少しずつ成長していく様に心がじんわり温まる。息子を思い、チキン南蛮を作るおばちゃんのストーリーもまた良い🥲チキン南蛮、食べたい…大葉入りたっぷりの千切りキャベツを塩とレモンで。 ☆二皿目 天たまかけご飯 和食料理人の銀さんが憑依。和食料理人だけあって、天ぷらの場面はすっごく美味しそう。特別な相手への特別な料理。卵の天ぷらは作るの難しそうだし、シンプルながらこだわりの詰まった料理で真似は出来なさそう。作中の兄と一緒にヨダレが止まらなくなった。 不器用で口下手で無愛想だけど優しい銀さんと元弟子のイタリアンシェフのたまさんの関係がまた…🥲「裏メニュー」に込められた思いが良かった。 ☆三皿目 具だくさん豚汁 どことなくセレブ風な和服おば様が憑依。最初は嫁いびり姑と無礼ギャル嫁だと思ったけど…。体調の悪い相手への思い遣り料理って本当に相手の気持ちが分かってないと出せるもんじゃないし、食事の作法などの礼法も日本人たるもの少しは覚えておかないと恥ずかしいな…と改めて実感。家庭の味、私も意識して日々のご飯作りに励みたい。 ☆四皿目 フレンチ風オムライス 神にも「ちとうざい」と言われてしまうフランス人が憑依。テンション高めで素晴らしい回。バターと卵を沢山使ったオムライスは愛重め。贅沢なほどの卵を使いクリーム状になるまで混ぜる執念はきっと愛あってのポイント。スフレのようなオムレツが乗ったオムライスに読みながらヨダレが出る🤤亡くなっても亡くなる前と変わらぬ愛情をさらけ出すフランス人と愛する人を亡くした失望感に対応しきれない女性。謝るフランス人に涙。相手を思いやる気持ちに気付いてくれる人もいると自分が持っていなかった視点に気付けた兄。この回は凄く泣けた。 ☆五皿目 「てしをや」名物・唐揚げ 遂に両親が兄妹に憑依。意外とあっさりしてる両親に拍子抜け。感動の再会じゃないんだ…??とか思ってたけど、残された側にも残して逝った側にもそれぞれの思いがあって、あまりあれこれ口にしない両親の思いに涙。別件で事件もあったりと不穏な流れだったけど、そんな事にも動じずでーんと構えて居る様にさすが親だなと。後半はやっぱりそうだよね…な展開にまた涙。 ☆おかわり ほくほくおでん 妹目線でのお話。少し惜しいと思ったのが仕込みの場面。今まではレシピのようにしっかり書かれていた仕込みの部分がほぼない!!!真似したかったのに!!おでん食べたくなったから作るけど。でもこの回で伏線が回収されて、なるほどね〜な事が分かりスッキリ。 どうやらシリーズらしいので、いつかこの続きもまた読みたい。
  • 2025年9月19日
    ([ん]1-15)夜更けのおつまみ (ポプラ文庫 ん 1-15)
    初のデジタル図書館(デジ図書)利用✨️ 記念すべき1冊。 有名作家さん➕noteで開催したコンテスト大賞受賞作品(計32名)による酒とつまみに関するエッセイ・アンソロジー。 美味しそうなおつまみたちにお腹を空かせながら読み進め、作家さんたちの日常を覗けたような気にもなり、素朴な食材に親近感。各短編の最後に挿絵が入っていて、おつまみのレシピまで載っていたりいなかったり。 ☆俺の生ハム/東山彰良 生ハム大好きな私、一発目からこのお話でヨダレが止まらなかった。自宅で作る生ハムレシピまで載っていて作りたいと思ったけど、残念ながら『食中毒が怖い』の気持ちが勝った…。「わたしのおつまみはまさに食って良し、造って良し、語っても良しなのだ。」すっごく納得の一節。 ☆タジン鍋/西川美和 「デニーズのビールで十分だ。」とか「見栄え、絶望的。がうまいです。間違いなく。」は凄く親近感だし、名言でもある。作家さんたちの酒とおつまみって、さぞかしお金が掛かって居るんでしょうね。と勝手に僻んでいた私だけど、全然そんなことなかった。2500円のコースランチよりも、前の晩タジン鍋でごったごたに火を通した食材たちを温め直し、お弁当に詰めて持っていって隠れて食べる(見栄え絶望的だから)ランチの方がうまい。と言う彼女のエッセイがお酒もおつまみも人柄もとても魅力的でした。 ☆野菜でビールを/田中啓文 「寝静まっている嫁と子を起こさないで済む…という超簡単なアテはないものか。」これがすっごく共感。レンジを使うとうるさいし、ガサガサパリパリカリカリ音が鳴るお菓子系もちょっと…。いかに音が出ず、洗い物が出ず、楽に美味しくお酒も楽しめるかが重要なので読みながら、『わかるぅ〜』が連発だった。おまけにこの方、某フライドチキン店のコールスローが好きとか。これもまた『わかるぅ〜』 ☆おばあちゃんの洋風揚げ餃子/美村里江 お酒を飲めない人目線の酒とおつまみに関するエッセイ。これがまた面白かった。旦那さんも飲めないから夫婦で晩酌とかはしないけど、おつまみは大好き。帰宅した旦那さんに冷えたグラスとビールを運び、ものの数分で美味しいおつまみを2.3品提供するというシチュエーションに憧れているらしいけど、これもまた共感。そして何よりこの方、女優さんの元「ミムラ」なのが驚いた。 ☆私の育てた冷蔵庫/オカヤイヅミ 「飲み続けたい」≒「複数のつまみをちょっとずつ食べ続けたい」これがまたしても共感。ダラダラと飲んでダラダラと食べ続けたいから、ガッツリのご飯中の晩酌はちょっと違う派の私。お酒が良くなってまだお腹が空いていたら〆にガッツリご飯が欲しいけど、お酒を飲まない人しか周りにいないから理解されない。理解者がここに居た!と嬉しくなった。 ☆夜ふけ、大豆の活躍/久住昌之 長野の醤油豆が登場して大歓喜。私も大好き!!ご飯にも合うし、そのままでも美味しいし、キュウリにも合うし…最高の調味料&おかず!食べたくなってヨダレが止まらなかった。
  • 2025年9月13日
    義経じゃないほうの源平合戦 (文芸社文庫)
    かの有名な源頼朝(兄)と義経(弟)の間に挟まれ、『自分には何の才もない』とクヨクヨする範頼。でもそんなこと言っていられない鎌倉時代。 史実を元に創作も加え、源範頼目線で語られる物語ー。 Kindleにて目を奪われたこの作品。何故だかわからないけどとても読みたくなって手を出してみたら、オツムの足りない私には案の定難しい…。 ChatGPTに頼りながら読み進めていくと、何となく理解できて面白い。戦の場面はなかなか緊張感があって、戦なんてなんのこっちゃ分からないなりに風景が頭に浮かぶ。範頼の情景も乗り移ってくるかのように一緒に喜怒哀楽を楽しめる。 そして物語が進むにつれて範頼の魅力に引き寄せされる。 鎌倉時代の資料が本当に少ないらしく、詳細が分からないことが多いそう。それならば、あとがきに書かれていた『マイ範頼』を私の中にも見つけたい。これは暫く調べちゃいそう…。 「自分の性格が武将に向いていないことはすぐに痛いほどに自覚させられた。」 最初は他の兄弟に比べ、自分にはなんの才能もないと落ち込む範頼。そこに古株御家人の天野遠景(とおかげ)。範頼の良き理解者過ぎて、この人居なかったらどうなっちゃってたの!?ってレベル。物語が進むにつれて範頼が立派になっていくのは遠影あっての事。 二人三脚で幾つもの修羅場を生き抜いた先に、やっぱり頼朝。超難関頼朝。 基本的に頼朝(兄)は人間じゃない。血の繋がった兄弟に〇〇と戦ってこいと命じ高みの見物したり、戦を仕掛けたり。機嫌を損ねると殺されるかもしれない。なんて奴だと作中の範頼と一緒にウンザリ。 この物語を読了後、ChatGPTに聞いたりGoogle検索して調べたら、範頼の最後が…。 「お前だけは許さん😭😡❕」ってなったよ😭
  • 2025年8月29日
    満天のゴール
    満天のゴール
    舞台は星空が美しい医療過疎地。 人生のどん底のシングルマザー、人生に責められ続ける医師、人生を諦めている老女。 3人の出会いが、人生を変えてゆく。 希望をもたらす、人間味溢れる医療小説📕 〜 生とはこんなにも切なく、死とはこんなにも温かい〜 身勝手な理由で実家へ帰っておいて、実の父が怪我で入院して面倒見なきゃいけないとなったら東京へ帰ろうとする奈緒。おまけに兄か兄嫁に迎えに来てもらって、父の面倒を丸投げしようとする。この時点でこの人に対してあまりいい印象ではない🙅‍♀️ (P40.P43) 子供の駄々こねみたいな事を兄と夫にしていて、段々とイライラしてくる。そりゃ不倫相手から「もっと大人な対応しましょうよ。」と言われるわけだと呆れる。(P45.P47.P63.) 妻であることに安心しきって、若さや女としての価値が目減りしていることに鈍感で自分を磨かず、危機感もなかった。(P89.P88.) これに関しては私も自分磨きを怠っているから同感。夫婦とはいえ、やっぱり女であることを忘れてはいけないなと感じる時があるから、これは忘れちゃいけないよなぁと反省。 「もう帰れよ!」(P90) ここで涙腺緩み第一波🌊泣けた。十歳の子がしっかり自分の行く道を決めて、守るべきものを理解してる。奈緒にとって心強い存在だろうなと感じた。 「親ってね、自分が持てなかったものを子供に持たせたがるものなのよ、厄介なもんでね。」(P181) これは本当にそう。厄介。けど理想を押し付けてくるのは子の負担だから、程々にして欲しい。と、ここは激しく嫌悪。 インフルエンザって本当に舐めてちゃいけないなと改めて思わせる場面。(P182) 「そうか。じゃあ今日のこと、憶えていてくれないか。」(P214) 涙腺緩み第二波🌊号泣😭十歳の少年には酷じゃないかとも思うけど、これも大切な事実。こんな体験をした子は絶対心の優しい人になるよ…と涙が止まらなくなった。 衝撃の伏線回収💥(P225) 多分、涼介と奈緒と同じ気持ちだったと思う… 子供が感じる幸せは貧富の差とは比例しない〜…自分を大切に想う大人が両手を広げ、全力で守ってくれているのであれば〜…その子供は不幸ではない。(P234) 子供がいる身からすれば、お金があったほうが幸せにしてあげれられると思いがちだけど、愛や接し方の方が大切だよねって。プライスレスな物の方が子供の気持ちを満たしてあげられる。これは肝に銘じます…。 「誰にも救ってもらえないのなら、あなたが救う人になればいい。救われないなら救いなさい。」(P236) 涙腺緩み第三波🌊号泣😭 帯にも書いてあったこの台詞。凄く名言だなと思った。救ってもらえないと被害者ぶって不幸な人間だと思いがちだけど、代わりに誰かを救えば希望になる。こんな名言もっと早く人生で出会いたかったよ… 早川と三上の対話(P261) 涙腺大崩壊😭😭😭😭😭😭 ここから先のお話はもう涙無しじゃ絶対に読めないくらいに大号泣。読了後も余韻が凄いので涙が止まらず。この本は絶対に外では読まないでくださいってお知らせが必要だと思います。そのレベルで感動しました。
  • 2025年8月26日
    スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ
    左ページに文章、右ページにスマホ画面と新しい手法。 新鮮な仕掛けにドキドキしつつ読み進めていくと違和感に気付いたり、スマホ画面に写る影に「おぉ…よく出来てる…」と謎に感動したり。 読み始めて違和感にすぐ気付けたけど、謎が残るところもあり…次回作でそこが分かるのかなーと今からワクワク。早く次回作が読みたい!
  • 2025年8月15日
    舟を編む
    舟を編む
    辞書『大渡海』の完成を目指し、長い年月をかけて地道に奮闘する姿を描く物語。 辞書作りに没頭するあまり、うっかり鉛筆で蕎麦を食べようとする様な変わり者ばかりが出てくるけど、どの登場人物も好きになる。特に馬締のキャラがどんどんとクセになってくる。 そして何より作品を通して辞書の魅力に気付かされ、今では我が家のリビングには辞書3冊常備📚 「私も辞書作りたい」とまで思わせてきた素晴らしい作品だった。 「なぜ、新しい辞書の名を『大渡海』にしようとしているか、わかるか」(P26.P28) 読み進めていくうちにどんどん名前の意味が分かるようになる。深い。ここの説明してるページの付箋は一生外しません。 馬締節が炸裂(P21.P25.P64.P116.P173.) 変な人だけど、放っておけない愛嬌がある人。この人が居なかったらこんな愉快な仲間たちにはならなかったと思う。馬締ファンになった。 馬締×香具矢の組み合わせがまた良い…!(P91.P94.) 不思議ちゃんな馬締と芯のあるしっかり者の香具矢。正反対すぎて相性が良いのかな…すごく好き。 西岡×馬締も良い。(P116.P126.P132.P133.) 一見おちゃらけな西岡も、実は芯のある熱い人でまるで馬締の保護者。2人の掛け合いがホッコリもさせる。 ドラマでは岸辺が主人公になっているので、この人の登場が中盤〜なのに驚き。そしてたまに毒づくのがまた面白かった(P169.) 「たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは〜…相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。」(P186.) この一節にすごく納得。言葉って普段から使うから意識して使うのは失礼のないようにしなきゃいけない相手くらい。でも日常の中で言葉の引き出しが多くなれば伝わる気持ちも多くなる。改めて、言葉って大事なんだなと気付かされた場面。 『大渡海』の装幀最終案。(P240.) これを読んで驚いた。まさか表紙が伏線になってたなんて…!!!!!これに気が付いた時には感無量。 終盤、泣けて泣けて涙が止まらなかった場面(P246.) 私も最近同じような経験をしたので、馬締たちの気持ちがよく分かる…「大丈夫」「がんばって」は応援するには使い易い言葉かもしれないけど、それが適切なのか、分からなくなる場面あるよね…と感情移入し過ぎた。
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