てらだ "ババヤガの夜 (河出文庫)" 2025年9月23日

てらだ
てらだ
@yoknel
2025年9月23日
ババヤガの夜 (河出文庫)
朝井リョウのYouTube(朝井リョウのYouTubeではない)を見て、他に前情報なく手に取った。 暴力の話って苦手なんだよな〜と思っていたけれど描写が爽快でグロさも終盤まで平気なレベルで素直に楽しめた。主人公のフィジカルの強さとファイター気質の乗算がただただ頼もしい。 重く弾みのある肉弾戦と尚子さんとの淡い青春感が良かった。 人をラベリングすることにどれほど意味があるのだろう、と思っているんだけれど、終盤めちゃめちゃ皮肉でいいな〜と思った。 マイノリティ側の側面を持ちつつ、ぱっと見そうとはわからない、かつヤクザ界隈では圧倒的に優位な男の柳が二人に「一般的な」型にはまるのを提案するのも、賢くて優しくもあるんだけど、根本的に違うんだろうなあと感じた。柳の器用さは何だかんだマジョリティ側だから成せる技っぽい。でも話せば分かり合えそう。 強者〜弱者寄りの強者〜強者寄りの弱者〜弱者のグラデーションのなかで、少しずつ弱者の視点を持てればもう少しわかりあえるのかなあ。 尚子が年月をかけて、弓矢を向けられるほど逞しくなっていて良かった。 自分を……してきた人の……、いらない!
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved