
つたゐ
@tutai_k
2025年9月24日

足環をつけた鳥が教えてくれること
山階鳥類研究所,
鈴木まもる
山階鳥類研究所の職員さんたちが書いた本で、「足環がついてる鳥」からわかることが2、3ページずつに簡潔にまとめられてて読みやすかった。足環があると、鳥の最高年齢や移動距離がわかるというものから、アマミヤマシギというのんびりした鳥のこととか(飛ぼうとして木の枝にぶつかったり頑張って飛んでるけど向かい風に流されてたり)、ツバメって実は同じ個体が帰ってきてるのは稀だよー、とか。
1番びっくりしたのはバンダー(取りに足環をつける人)がボランティアなのはしってたけど、誰かに頼まれて足環つけるんじゃなくて自分で調査計画を立てて、自分でその鳥を調査しつづけているそう。「市民科学者(研究者じゃない、という意味なのかな)」なんだって。そしてバードウォッチングでの同定力と、実際手に持ったときの鳥の同定力は全然違うらしい。
面白いなーと思った。
印象的だったのは、鳥っていうのは国境を越える(というか国境って人間以外にはどうでもいい括りなので)から、世界が平和でないと調査や研究が進まないこと。だから平和であってほしいということが繰り返しかかれていた。今まで読んだ本でも、古い本だといま戦禍にある国の研究者たちと調査をしていることとかも書かれていて、そういう国の研究者たちや鳥たちがどう過ごしているんだろうとも心配になる。
悲しい話だが地雷原などは人間が踏み込まないので鳥(軽いので作動しない)がたくさん住んでいたり、国境の非武装地帯が貴重な休息地になったり…ということもあったりして(もちろんそんな土地の鳥なんて捕まえたりとか調査したりとかって難しいよね)、「平和」についてほんとうに考えなきゃなあと思う。
つけたのは足環がついているシロチドリ。はじめて見つけた足環つきの個体で、青森からはるばる旅をしてきたみたい。滅多にない出会いだと思うけど、この一体だけは個体識別ができるので、見つけると嬉しくなる。最近浜に行けてないけど、まだいるかな。




