
nornacum
@nornacum
2025年9月25日

法の精神 上
モンテスキュー,
稲本洋之助,
野田良之
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岩波文庫
同時代的
パーシヴァル・エヴェレット『ジェイムズ』で、主人公がモンテスキューと対話するシーンがあって、気になって『法の精神』を読み始めました。面白い本です。比較制度分析を切り拓いた著作。法哲学的な本を想像して読み始めると肩透かしを食らいます。訳者のおかげもあって読みやすいし、やや構成が弛緩してはいるけれど(十数年かけて断続的に書かれた本らしいのでそれも仕方ない)、読みこむとずいぶん楽しい。
上巻では奴隷制をテーマとした一文があり、きわめて差別的な内容で驚きました。が、邦訳された文章を読むだけでは気がつかなかったけれど、そこは当時の典型的な黒人奴隷への差別意識に対するモンテスキューの痛烈な皮肉がこめられている部分らしい。『ジェイムズ』でのモンテスキュー批判は、ここについてではなく、彼の風土論、特に暑熱の厳しい地域に住む民族に対する優生論的/人種主義的目線に向けられたものみたい。その部分は中巻にあります。

