
高山碧瑶
@uya_20250906
2025年9月25日

読み終わった
借りてきた
「アメリカを再び偉大に(Make America Grate Again)」という標語がアメリカを席巻している。1950年代のアメリカは第二次世界大戦に勝利し、物質的にも文化的にも世界のトップランナーと言える黄金時代だったと言える。
1955年林忠彦はミスコンの日本代表付きのカメラマンとしてアメリカに降り立つ。
ボヘミアンたちが集っていたブルックリン、夏の観光地コニーアイランド、ニューヨークからカリフォルニアまで貪欲にカメラアイを向けた。
突然の雨に駆け出す若い黒人のカップル、屈託なく笑う女性。傷痍軍人だろうか松葉杖の男の表情も明るい。
もしかして偉大なるアメリカはすべての人にチャンスと豊かさをもたらす寛容さにその源泉があったのではないか?
林忠彦の憧憬から私はそんなものを読み取れる。
この写真集の中で1枚違和感を感じるものがあった。広島原爆への反対を訴えるプラカードを持った男の写真だ。この1枚は後の原爆スパイ事件から吹き荒れる赤狩りの未来を連想させる。アメリカをふたたび偉大にと願うのであれば、何がアメリカを偉大にしたのかそれを見つめる必要があるのではないだろうか?
