
碧の書架
@Vimy
2025年9月27日

読み終わった
読了。背表紙の説明が合っていない気がします。もったいない。
「歴史のif(もし信長が本能寺で討たれたら?など)」と書いてあったので、戦国時代とか邪馬台国とかの話かと思ったら、4話全編連作の明治以降の戦史に纏わる話でした。帯に書いてある「戦地から持ち帰った曽祖父の遺品」「消えた軍艦畝傍」「地下室に消える亡霊」「禁断ノ島の謎」の方がより近いですが、本能寺にミスリードされて古代中国の壺とか神の御座す島かなぁなんて思ってたら全然違いました。
実際本文に登場するのは、WW2のフリッツXや様々な上陸作戦、本土決戦用地下施設の話や、明治時代のフランス製巡洋艦畝傍沈没の謎などです。秘密結社も少々…。
私は戦史も好きなので「ほうほう!」と楽しく読めましたが、説明文の信長とか本能寺って文字は強烈なイメージがあって多くの人が想像できてしまう為に、「思ったのと違う…」ってなってしまう人もいそう…。もったいないです。
良いと思ったのは、本文中に出てきたラボの説明で「量子コンピューターで歴史のifをシミュレートする(事を目指している)」という部分です。それができたらすごく楽しそう…延々見ちゃいそう…w
厚生労働省に軍歴資料を請求する所が丁寧に書かれていたり、実在する博物館を訪ねていたりして、自分が先祖の調査をする時のヒントにもなりそうです。
惜しいのは説明文と、キャラが弱いかな…。文庫版のラノベっぽい表紙とあまりマッチしていない気がします。あと事故死の必要はなかったような。
歴史の中でも、近現代史や軍事史がお好きな方なら楽しめるのではないでしょうか。





