あんみんどうふ
@anmin-zzz
もともと辻村深月作品は好き
この作品を友人のストーリーズで見つけたこと、本屋で展開されていた売れ筋ランキングでも上位であったことから購入して読書スタート。
たしか佐伯ポインティが本屋に行く動画で購入していたのもあって、購入した。
私の話をする。
一年海外にいただけで日本のエンタメに疎くなってしまった。全然触れられなかった日本語を浴びるために読書に溺れている。
アメリカのamazonアカウントを作ったら日本のアカウントでKindleにログインできなくなってしまった。
Amazonの電子版で購入したのにKindleアプリを開いてもアメリカのものにしかログインされない。どこを探しても購入したはずのこの作品が見つからない。
ただ、どうしても読みたかったから結局本屋でも本そのものを買った。
何度も試すうちに日本のアカウントでKindleにログインすることに成功し、フィジカルとデジタル両方で同じ作品を読むという初めての試みを行った。
状況に合わせて読み方を変えられ、ストーリーは止めないでいられることは満足度が高かったが、純粋に二重でお金を払っているのでもう二度としないであろう。
したくない。笑。
◎感想。
まず、どんな作品か全く知らずに読み始めたのだが、前半が長い。長すぎる。
年齢がある程度進むまで、
地方のモールでおでかけするような"ふつう"の幸せに価値を感じることができなかった39歳男性(東京育ちで有名大学出身、女友達もおり、見た目も悪くなく恋愛もこれまで困ってこなかった)
の婚活のしんどさ語りがつづく。
私自身が年齢的にも結婚を考えなくてはならない歳なため、耳が痛い。
結婚したいという今の自分にはない感覚、わからない、でもそれをそのまま放っておいてはいけないんだ!
という戒めさえ感じて、そこまで読むのが楽しくなかった。
だが、婚活に対する焦りは芽生えたので非婚化対策に少しは貢献しそうである。
ただ、朝井リョウの解説にも同様のことが書いてあった気がするが、丁寧すぎる!
長い。そんなに書かなくてもいい。間延びする。とさえ思うほどこのパートが続く。
え、これ延々と婚活の説教されてるだけじゃん...という気にもなってくる。
おもしろくなるのは第六章くらいから。
そして後半に語り手が変わった瞬間から物語のスピードが一気に加速する。
全体的な感想だが、
39歳男性の架の気持ちも、その後語り手となる
あんみんどうふ
@anmin-zzz
婚約者、真実の気持ちもなんとなくわかってしまう。
東京のまばゆさ、地方の狭さそこで感じること。
婚活に対して相手に点数をつける、理想が高いと言われても恋愛対象として見ることができない。
どれもなんとなくわかるし、真実ほどではなくても自立できない、自分で選べない気持ちや社会に対する甘さ、自己評価が低くても自己愛は高い。
という部分もわかってしまった。
架の女友達、真実、架、それぞれ全員の気持ちが全部わかってしまい、
自分は側から見たらどれなんだろう、とも思ってしまった。
婚活のリアルさも描きながら、
中心は自己を見つめること、恋愛についてなのだと思う。
真実のストーカー被害という大きなきっかけを経て変わっていく2人が非常におもしろい。
特に真実の変容っぷりは成長や殻を破るという表現がぴったりで、視界が晴れやかになるようなさわやかなエンドだった。
辻村作品の「青空と逃げる」をもともと読んでいたこともあり、その作品の主人公たちが出演して懐かしい気持ちになった。
最初はすごく既読感がある、知っている、という気がしたが名前をみて確信に変わった。
こういったそれぞれの作品がリンクするのは伊坂幸太郎作品やマーベルのようで好きである。
◎総評
長い!他の辻村作品の方が地方都市のリアルに踏み込んでいる、ミステリ感が強く好きだった。
が、テーマが婚活で今の自分にとって耳が痛すぎるというところもあるかもしれない。
登場人物には共感できるが、応援したくなるもしくは惚れ込んでしまうキャラがあまりいない。(最後の方ちらり出てきたキャラは魅力的そうなキャラ多い)
少なくとも架も真実もあんまり好きにはなれなかった。笑。
傲慢で善良なキャラだからそれでいいのかもしれないが。
美少女の表紙デザインは綺麗だが、これは誰?真実にしては美しすぎるし、真実がインスタに載せていた自分かな。笑
表紙と内容のイメージギャップはあるかも。
なんでもいちゃもんをつけずに、自分の価値も高く評価しすぎず、年齢を考え、自分がどうなりたいかのビジョンがないと婚活はうまくいかない。
身につまされた。
ピンとこなくてもある程度頑張るということも必要なのかもしれない。年齢がいった人間の結婚においては。
なんでそんなに売れているのかわからなかったが、まぁ読んで良かった。
読んでいる最中
ラストどうなるのかが楽しみだった!
大恋愛かぁー!