傲慢と善良

221件の記録
- 読書日和@miou-books2025年5月16日読み終わった島はぼくらとを読んだ後、皆さんのレビューを見たら傲慢と善良のヨシノさんが!とのコメントがあったので、こちらも読んでみた。読んだ事ないと思っていたけど、読んでた!途中で思い出した。 最終的には、善良で良い子で生きてきた真実ちゃんの自立、という話なんだけど、真実ちゃんにめちゃめちゃ々した。 リアルにこのタイプいたら意地悪言いたくなるわ、、と性格の悪い自分がめちゃめちゃ現れてくる。苛々したり、自分の性格の悪さと向き合いつつ、なんだかんだで一気読みしてしまいました。
- まるめ@marume_bk2025年5月9日読み終わった2年前くらいに買って、少し読んでそのままになっていた『傲慢と善良』をようやく読み終えた。 実はあんまり作品のジャンルを理解せずに購入していたので、冒頭数十ページを読んでなんか違う、、と読むのをやめてしまっていた。 最後まで読み終えての感想はとりあえず読んだなという感じ。何か自分の人生に、この物語と重なる要素があればもっと没入できただろうか、、と思ってしまった。 あとは解説で紹介されていた闇祓が気になってきた。
- Runa.@runamaru82025年5月3日読み終わった当時婚活してたから周りの同年代含め流行ってた。 ほんとそうだよなあと思うことばかり。 でも不思議と話はあまり覚えてない。 読んで納得して、ふんと鼻を鳴らして、 箱に詰めて次に進んだのかもしれない。
- satoukibi@satoukibi2025年4月27日読み終わった> 結婚相談所を経営するご婦人との会話シーン 主人公の結婚に対する甘い考えを柔らかな口調で厳しく指摘していくのが気持ちよかった。なんだかんだでお説教キャラが好き。
- 水上ひろ@yv_04242025年4月18日読み終わった読了! もっと早く読めば良かったー!の気持ちと、いや、今だからこんなに刺さるんだー!という気持ち〜〜〜 「ささやかな幸せを望むだけ,と言いながら、皆さん、ご自身につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る、皆さんご自身の自己評価額なんです」の鋭さがもうすっごい
- oi@oio_book2025年4月12日読み終わった@ 自宅自分の傲慢さがどこにあるのか考えさせられる物語だった。 特に、第二章の小野里婦人との会話はこの小説のテーマとなる部分がうまく書かれていて、自分に重ねながら読んでしまった。 「皆さん、謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです」(p133) 「…傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう…」(p135) 「ささやかな幸せを望むだけ、と言いながら、皆さん、ご自分につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る、皆さんご自身の自己評価額なんです」(p137) もしかしたら、恋愛関係だけでなく、全ての人間関係において無自覚な傲慢さが相手を不快な気持ちにさせていたこともあるかもしれない。 自分の中で消化しきれていない部分もあるから、また時間をおいて再読したい。
- もるてけ@moruteke2025年4月8日読み終わった辻村深月の作品はかがみの孤城しか読んだことがなかった上に、あらすじから想像するような恋愛小説ではなかったのでかなり面くらいました。 解説が朝井リョウなのも納得。 何かを選択するときの傲慢さを細かく描写されていて、状況は違えど登場人物と自分を重ねることが多くありました。 傲慢と善良、必ず思い当たる節があると思いますので、是非読んでみて下さい。
- 八芽@984_kn82025年4月7日読み終わった中盤、意図や背景が明かされた時、そこまでやるか⁈と正直に引いた。が、同時に他人の人生観を知り目の前の行動原理に理解を寄せる営みは現実でも大事かもしれない…と畝った。
- りか〜ぴえろ@liquorp2025年3月26日読み終わった人にすすめられて読んだ かつて履き潰して足に馴染んだ靴をもう1度履かされて、来た道を歩かされている気分だった そのせいでミステリとしての機能構成もスリリングに感じられなかった 行ったことのない場所に行くような読書がしたいと思った 終章に出てきた被災者たちが東京の人をケアするだけの役割だったのも気になった
- ふっくりんこ@sifokirafun8282025年3月23日かつて読んだ心理描写があまりにも綿密で、美しくて、苦しくなった。 最後の方は、本を読んでこんなに脈が速くなることあるんだな、と思った。恋愛とミステリーをこんなにもリアルに交えられるものなんだと驚いた。
- りょう@ryozy2025年3月23日読み終わった積読になっていた一冊。 いったん読み始めると止まらず、先へ先へと読み進めたくなってしまう。 ちょっとした登場人物であっても立体的に描かれていることが、物語の解像感を高め、まるで実在の人々による出来事のように感じさせる。いや、こんな人たち、本当に身近にいる気がします。 傲慢であることと善良であることは紙一重、あるいはコインの裏表。
- 柴犬@storyseller2025年3月21日🌀読了後ここまで頭を埋め尽くす本は久しぶりだった。読んだ年齢と性別で捉え方全く変わりそう〜、お薦めしてくれた人は結婚に焦るって言ってたし。 恋人をルックスがいいから好きなことは現金かどうかという話、それは全然構わないのではないかと私は思う。恋人に「好きだ」と言われた時に嬉しいと感じるのは、「このような素敵な恋人に好きだと言われること」が嬉しいのであって、“素敵な”の部分を掘り下げていけば優しい、人間性が良い、尊敬できるなど様々あるだろうし、そこに綺麗なという分類があっても構わないだろう。見た目が良いことは才能であるとも言える。しかしこの感覚に嫌悪感を抱く人がいるのは100も承知だし、そういう人とは付き合わなければ良い。相手に言わなければ良い。これはピンとくるの話と繋がるが、ピンとくるのは自分より上の人という話、そんなの当たり前ではないか。自分より劣ってる人を、そもそも人間として素敵だと思うだろうか。ピンとくるを掘り下げれば、“〜なところが素敵だと思った”に繋がるし、それは自分に無かったり、得られなかったりする部分ではないだろうか。あとは点数の話。これは結婚してない昔の恋人に120点をつけてしまうのはそれはもう絶対結婚できないからだし、記憶は美化され、いい思い出しかないからだろう。結局いざ結婚するとなれば腰が引け、本当にこの子でいいのかとなって70点になってしまうのは正直妥当だと思う。シンデレラのように一目惚れをして運命を感じて付き合ったわけではないのだから。最後にキスもできないのに、結婚できるかの話。当然できるわけがないよ〜!これは女としての自我が顔を出してしまいます。流石に、できません。正直イケメンかどうかよりキスできるかどうかで決まるよ言っても過言ではないと思う。長く付き合ってキスしなくなる、のと最初からキスすらキツい状態では話が違う。彼氏の女友達のこの女にしかわからない機敏、さすが、女性作家という感じでした。彼氏は何も考えず楽しそうで、と思い悩んじゃう感じね。あるよね。でも、男って気づかないよ。寝てたら起きないし。横で泣いてても意味ない。起こして、私は悲しいって言わないとダメです。これは愛云々の話ではない、察しては無理なの。これは恋人だからでもない。人間同士、話さないとわからない。
- りりぃ@Lillllly2025年3月16日読み終わったイッキ読み。 20代のうちに読みたかった、と、20代のうちに読んでいたら自分の傲慢さに嫌気が差していたな、がぐちゃぐちゃで情緒やられる。辻村深月ならではの心理描写の繊細さが心を抉る。神社のおじいちゃんの何気ない言葉に号泣。
- ゆちぇん@my52yu2025年3月14日読み終わった善良:素直で性質がいい人、素直で正直な性格の人、またはその行いの正しい人 傲慢:調子づいて人を馬鹿にしたり、人を見くびって礼儀を欠くこと。プライドが高く、他人よりも優位に立ちたい気持ちが大きいために、人を見下す傾向にあります。 また、優劣をつけて相手に敵意を抱いてしまう人もいるでしょう。 自分のプライドが傷つくと、怒りを相手にぶつける場合もあり、攻撃的な言動も多くなります
- Whim@whim2025年3月12日読み終わったアプリで知り合ったカップルのヒロインが結婚目前に失踪する恋愛ミステリー。 恋愛、婚活のときの脳内の解像度が高くて、自分の価値観を咎められるような鋭さがあります。男性視点、女性視点ともに勉強になる…。もっと早く出会いたかった1冊でした。
- 華子@kkpage__2025年3月10日買った読み終わった傲慢と善良は、個々人でバランスは違えど皆が持っているもので、それ故にそれぞれが生きづらさを抱えてしまうことがこの小説でありありとわかった。 こういう思考の癖?のようなものから解き放たれたら、自分らしく生きていけるのかもしれない…と何となく考えた。それがきっと難しいのだけど。 あと、時が経ってまたこの本を開いたら、感じることも変わっていきそうだなぁと思った。
- 廣 亜津美@hiroatme2025年3月8日かつて読んだタイトルからわかるようにジェイン・オースティンの「高慢と偏見」を意識して書いているだろうし、意識して読むと面白いです。十八世紀末の英国の女性と同じように、現代の女性が窮屈に生きているという視点は面白いです。そこはいいのですが、メインの二人の行動にはあまり納得性がないです、こういうものでしょうか。映画の方が先で、ほぼ同じ印象ですが、映画の方が面白かった。
- ミサキ@misaki2018jp2025年3月6日読み終わったあらすじ 婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》 ---- 「今私、パーセントで聞いたけど、それはそのまま、架が真実ちゃんにつけた点数そのものだよ。架にとって、あの子は七十点の彼女だって、そう言ったのと同じだよ」 「うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人です。自分の生活を今後どうしていきたいかが見えている人。ビジョンのある人」 謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。傷つきたくない、変わりたくない。──高望みするわけじゃなくて、ただ、ささやかな幸せが摑みたいだけなのに 一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、〝自分がない〟ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」 「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です」 「ささやかな幸せを望むだけ、と言いながら、皆さん、ご自分につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る、皆さんご自身の自己評価額なんです」 自分で決められないけど、趣味だけは贅沢って、世の婚活がうまくいかない根本的な原因なのかもね。 こんな過去や好みを持った自分を理解してくれる相手、みたいなものを求めすぎて、逆に相手もそういう物語を持ってるかもしれないってことの方は疎かになる」 「あなたがそうしたい、と強く思わないのだったら、人生はあなたの好きなことだけでいいの。興味が持てないことは恥ではないから」 ---- あまりにも心が痛い。真実とも架とも状況は違うのに、どちらの心情も手に取るようにわかってしまう。体験したことがないのに身に覚えがあるような。2人に投げかけられる言葉がグサグサと心に刺さる。潜在的にはきっとわかっていた自分の傲慢さを腹の底から容赦なく取り出して言語化して目の前に並べられたような感覚。自分の不甲斐なさに絶望するけど、同じような人が大勢いることが本作のヒットに裏付けられてるのも事実。 現代は昔に比べてあらゆることの選択肢が増えた。結婚相手に限らず、仕事も住む場所も。そしてSNSの普及で友達はもちろんのこと、知らない人の生活まで最も簡単に覗けるようになった。その結果理想がどんどん高くなったり、あっちの方が良かったかもと決められなくなったり。情報が溢れる中で、こうした方がいい、こうしなさいと言われる方が楽だと感じる人がいるのは自然なこと。ある種、柔軟性があるという魅力にも捉えられるし、それが必ずしも悪いとは言わない。だけど、全てを流れに任せていると自分のことがわからなくなってしまう。だからこそ、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人がうまくいく。これは結婚相手でも仕事でも何事にも。自分の欲しいものに関しては常に見失わないようにしていきたい。 真実の行方や2人の将来を追うストーリー性はもちろんのこと、その過程でも1ミリも飽きや中弛みを感じさせない描写に脱帽。今は痛いほどに共感が強い一冊だったけど、もし自分が結婚したら、あるいはあと10歳年を重ねたら「自分も前はこうだったな〜」となるのだろうか。
- coto@namakemono2025年3月6日読み終わった昨日は映画"ファーストキス"観て、今日は"傲慢と善良"読んで。連日超ヘビー級のラブストーリーによりダウン寸前🥊 恋愛や結婚についてダメージあったのはもちろんだけど、なにかを選択してする時に頭の中で無意識にこういう優先順位で考えていて、自分でも知らぬ間にこういう決断をしているんだとクリアになったからこそ、傲慢さと現実に気付いてしんどくなった。 しばらく立ち上がれないかもしれません😇
- ボク、ブラえもん。@taishibrian2025年3月5日読み終わったかつて読んだ@ Sanchaco人は何かを選ぶとき、無意識に自分自身のモノサシと比較する傲慢さを持っている。そして誰かに選んでもらって消極的に鈍感に過ごしていく善良さも同時に持ち合わせている。 たとえば誰かと会食する際に、自分が招待したり企画するときには恥ずかしくないようにとか変に思われたくないといった自意識で、そこそこのレベルの飲食店をあーだこーだと悩みながら選ぶケースがある。一方で自分が招待される場合だと、面倒に思われたくなくて同じメニューを頼んだり相手のオススメを鵜呑みにすることが多い。 この小説では、婚活をテーマにそんな人間の矛盾した性質をこれでもかとばかりに抉ってくる。傲慢かつ善良な主人公2人と、経験知に裏打ちされたえぐいことをサラリと指摘する登場人物たち。ミステリー仕立てで読み進めるに連れて、読者はこれは他でもない自分自身のことが描かれているのだと気づく。 地方の閉塞感だとか過剰な親子関係といったパーソナルな問題を、震災復興や地域活性化のようなソーシャルなテーマに紐づけて解決していく方向性は、立場的には少し安易に感じてしまったが、ベストセラーとなり映画化が決定するのも納得な内容だった。
- 猫@mao10122025年3月5日かつて読んだミステリーとして楽しみにしていたが、読了後はそれ以上に考えさせられる話だった。自意識と自己愛のバランスの重要性は本当に大事だなと。傲慢と善良さ、両方を等しく持ち合わせている人間など滅多に居ないとは思うが、それでも自分の行いを鑑みてしまい胸が詰まった。その分、今の自分と重ね合わせて、自然体でいようと思えた。
- mana@honyomu_882025年2月25日読み終わった地方出身・両親はずっと地元にいる私には 情緒の描写がリアルすぎた。 描かれている世界観からずっと私も逃げよう、逃げようとして辿り着いたのかもしれないし、まだ逃げきれていないような気もする。
- okaeri@b0c9e12025年1月22日買った読み終わったそんなところまで言わないでくれ と言いたくなるような心理描写の深さ。 田舎の嫌なところと、母親の嫌なところ、どちらも知っていて、わたしはそう言った面で母から解放されて、だから失踪せず自殺もせずに止まっている。 知っている、彼女の思考は「認知の歪み」に相違ない。(ただその歪みを植え付けたのが母だということは事実) 架の女友達にひどく言われるが、結局一番受け入れて欲しい人に、そのまま受け入れてもらえる。そのストーリーに、またその歪みを「可哀そう」がってくれる架に対し「そんなところが鈍感で好き」というところにも、読後嫌気がさした。 (わたしは対峙して、自傷するしかない。そんな独りよがりが、また傲慢さであるのだが。) 朝井リョウの解説にも唸る。
- まお@mao_ssss2024年11月12日読み終わった久しぶりに自分と年代の近い物語に触れた気がする。年代が近いからこそリアルに実感できる焦りと不安がある。やばいとかいうふんわりした言葉で包まれがちなそれを徹底的に言語化していく。なるほどなあと思わされた。ラストはややご都合主義な感もあるけど、うん、刺さる
- さくも@mmk-39r2024年10月30日読み終わったあまりにも話題になっているので気になって読んでみました。 主人公と自分自身が重なる部分があり、耳が痛いところも何回かありました。笑 考えさせられることが多かった本だと感じています。
- はぐらうり@hagurauri-books2023年10月31日読み終わった解説にもあるとおり、解像度のすごく高い小説。長編だが、読みやすく親切。本屋大賞の作家さんらしい作風で、売れ続けているのが凄い。初めて読む方なので、もう何冊か読もう。写真洗浄は浅田先生だなーと思って読んだ。
- あり@arii_262023年9月23日かつて読んだ都会で育った架と地方で育った真実。傲慢な架と善良な真実の対比が印象的だった前半から、真実の傲慢さが明らかになる後半へのストーリー展開に惹き込まれた。親離れ・子離れ・劣等感・自立の出来ていなさ、真実のこれまでに自分自身にも響くものがあった。婚活・恋愛だけでなく真実のこれまでの人生に自分と比べて重ねてしまうところもあった。面白い。
- 八槙@yamaki_rd2023年5月17日また読みたい読了まる一年前くらいからちまちま読み進めている本。婚活で出会った男女の話なので自分にはまだ早い気がしているが、繰り返し読むことで感じ方の変化を楽しんでいきたい。 今日から読書再開。スタートをこの一冊と共に切ります。何年も本を読む時間と気力の確保ができていなかったので今年はたくさん読みたい。(2025/3/11追記) まず、視点入れ替えのタイミングに寒気が走った。架の視点に入った先に今まで隠されていたことがあることはわかっていたから、そこに何が待っているのかうっすら予感していて、それが怖かったのかもしれない。架のパートは一読者として人探しをする探偵を見ているようなエンタメ感があったが、真実の生活を垣間見ていくうちに自分と彼女に重なる部分が多くあることに気がついた。彼女の抱く感覚の多くに覚えがあって、自分で言うことでもないが、その全てが善良からくる傲慢さであったように思う。自分の価値を高く見積もっているからこその歪んだプライドから来る言動の数々は、痛いところを突くようで苦しかった。今の自分と少し違っていたらという言葉から始まる他人への劣等感は、自分自身にプライドを持っているくせにこれまで歩んできた人生に自信がないという一見矛盾しているようでその両立が成り立ってしまう感情から来ている。無意識のうちに自分を重ね、ああこれは自分だと思わせられる瞬間があるのはこれが初めてだった。読了後の感想で人々が述べていたのはこう言うことだったのかと理解させられた気分だ。どこまでが不文律な社会規律でどこからが個性であり自分の意思なのか、浅井リョウによる解説を読んで改めて考えさせられる。しばらく考えて、自分らしさというものを本質的に理解するまできっとわからないのだろうなという結論に至った。人間から傲慢さを払拭することは至難の業であるし、実際この作品からその変化の過程を得ることはできなかった、それは、作者の辻村美月がどうこうという話ではなく、人が何かに気付く瞬間というものはやはり体験してみないとその身をもって理解することは難しいということだ。けれどまだ自分はこの一冊から学ばなくてはならない。一度目はたしかに自分の嫌な面を突きつけられたが、逆に言うとそれだけだった。風に吹かれれば忘れ去ってしまうような軽い衝撃。それは久々の読書であまり入り込めなかったせいかもしれないし、はたまた単に自分が未だ自らの汚い部分から目を逸らしているからかもしれない。自分も変わらなくてはならない。心にしっかりと刺さるその時までこれをまた繰り返し読みたい。(3/12追記)