
riho
@skirh623
2025年9月28日

虚空教典
剣持刀也
読み終わった
剣持刀也さん。そのお名前は以前から、「有名なVTuber」としてなんとなく耳に残っていたけれど、具体的なことは何も知らない存在だった。実際に彼の活動を見てみると「かなり面白い人」と一気に興味と好意を抱き、どんな文章を書く人だろうと思っていた時にこのエッセイの存在を知りました。
内容もさることながら、「話し方・喋る言葉」と「書く文章」の雰囲気や温度感にほとんど差がないのはとても面白かったし、独特なパワーがものすごい。読みやすいけれど容易くはなく、かといって身構えて読む雰囲気でもなく、不思議だなと思っていたけれど、この感覚は剣持さんの配信を見る時と同じだと気付いた。
どこにいても、どのフィールドでも、彼が一貫して「剣持刀也」であることに、畏敬の念すら抱いてしまった。それでいて誰よりも素直で、本人が意図しないところでその素直さゆえの愛らしさが滲み出てしまうところが、多くの人に愛される所以なのかなと。
父親との対談がとても面白かった。この父にしてこの子あり。父が息子に「恐れるものは何もない」と言い切る頼もしさと、その信頼を受け取る息子の、関係性の素晴らしいこと。
そしてあとがきの最後、自分の主戦場はYouTubeであり、そこでまた会おうと読者に言い切り、執筆というフィールドから立ち去ってゆく剣持さんの覚悟と美学。
痛快でした。とても面白かったです。
