
riho
@skirh623
- 2025年11月12日
いつか、アジアの街角で中島京子,大島真寿美,宮下奈都,島本理生,桜庭一樹,角田光代読み終わった美味しい料理、色とりどりの可愛いスイーツ、そんなものたちに囲まれたほっこりする物語たちが読めるのかな?と思いきや、どれひとつとして一筋縄ではいかない、摩訶不思議で、鋭い痛みさえある物語たちによる短編集。 痛みや悲しみ、息苦しさのようなものと隣り合いながら過ごす日々の中で、私たちはふと、あの街の、あの街角の、独特な優しい柔らかさに救われているのだと思う。 それは少し埃っぽい風景の中に、親切にしてくれる笑顔の中に、猫たちの村の中に、縁結びの神様の中に、マンゴーかき氷の輝きの中に、大根餅の中に、ひっそりたっぷりと仕込まれていて、日本で暮らす彼女たちのざわめきを受け止めてくれる。 まさにあの、八角の甘いような沁みるような、不思議な香りに包まれているような読み心地でした。 - 2025年11月3日
週末は彼女たちのもの島本理生読み終わったその軽やかな薄さと、静かにきらめく小さなわくわくが湧いてくるタイトルに惹かれて、読みやすそうな本、と思ったら、描かれていたのは深く煮詰まりかけているいくつかの恋の話。 一話一話はショートストーリーでさくっと読めるのに、様々な視点や立場が折り重なっていくので、しっかりとした読み応えがありました。街中の様々なショーウィンドウを渡り歩きながら眺めるように、短いのにインパクトの強い一冊。 「誰よりも美しい彼女」であるミナが、一番似合う相手に出会い、穏やかと思える温かさに包まれていく様はとても嬉しく美しかったです。 - 2025年10月28日
言語化するための小説思考小川哲読みたい - 2025年10月28日
流れ星が消えないうちに橋本紡読みたい - 2025年9月28日
愛の夢とか川上未映子読み終わった合う合わないで言えば、私には合わない文章で、読み進めるのにとても苦労したし時間もかかった。なんとか読み終えた後も感想が出てくることもなく、読み解ききれないもどかしさのようなものが自分の中で残っていた。 けれど、数日経った今も、ふとした時にこの短篇集に描かれていた風景を思い出す。京都の夕闇に包まれていくホテルの一室、ピアノの音色、土の香りを胸いっぱいに吸い込む感覚、幽霊として伴侶のその後を眺めているマンションの隅っこ。 朝靄の中を歩くような、すりガラス越しに揺れる影を見るような、見えそうで見えない、分かりそうで分からない、そんな曖昧な読後感がじんわりと日常に溶け込んでいく。そして見せてくれる、「どこか知らない景色」をたまらなく美しく感じる。 こんな風な本との繋がり方もある。最後まで読み切ってよかったと心から思います。 - 2025年9月28日
シェニール織とか黄肉のメロンとか江國香織読みたい - 2025年9月28日
虚空教典剣持刀也読み終わった剣持刀也さん。そのお名前は以前から、「有名なVTuber」としてなんとなく耳に残っていたけれど、具体的なことは何も知らない存在だった。実際に彼の活動を見てみると「かなり面白い人」と一気に興味と好意を抱き、どんな文章を書く人だろうと思っていた時にこのエッセイの存在を知りました。 内容もさることながら、「話し方・喋る言葉」と「書く文章」の雰囲気や温度感にほとんど差がないのはとても面白かったし、独特なパワーがものすごい。読みやすいけれど容易くはなく、かといって身構えて読む雰囲気でもなく、不思議だなと思っていたけれど、この感覚は剣持さんの配信を見る時と同じだと気付いた。 どこにいても、どのフィールドでも、彼が一貫して「剣持刀也」であることに、畏敬の念すら抱いてしまった。それでいて誰よりも素直で、本人が意図しないところでその素直さゆえの愛らしさが滲み出てしまうところが、多くの人に愛される所以なのかなと。 父親との対談がとても面白かった。この父にしてこの子あり。父が息子に「恐れるものは何もない」と言い切る頼もしさと、その信頼を受け取る息子の、関係性の素晴らしいこと。 そしてあとがきの最後、自分の主戦場はYouTubeであり、そこでまた会おうと読者に言い切り、執筆というフィールドから立ち去ってゆく剣持さんの覚悟と美学。 痛快でした。とても面白かったです。 - 2025年9月27日
わたしたちが光の速さで進めないならカシワイ,ユン・ジヨン,カン・バンファ,キム・チョヨプ読み終わったその美しく物悲しい、どこか心地よい静けさを感じるタイトルに惹かれて。 これまでの読書経験の中でSFはほとんど読んだことがなく、かつ宇宙に強い恐怖を感じる節があるのでおそるおそる読み始めたけれど、終始心地よい没入感の中で読み終えることができました。 爽快感、ともまた少し違う、この心地よさをなんと表現したらいいのだろう。解説の中にもあった「寂寥感」が一番しっくりくるかもしれない。悲しく、やるせなく、ただ静かにその感情に浸かりながら、どこか心地よさもある。この感情をきっと、広大な宇宙のどこかで自分と同じように抱く人がいて、その存在の気配をほんのりと感じるからなのかもしれない。 ひとつひとつの物語が湛える光の粒子が美しく、中でもとりわけ「スペクトラム」が素晴らしい一遍でした。 - 2025年9月23日
やさしいがつづかない稲垣諭読み終わった友人へ抱く負の気持ちや同僚に優しくできず悩まされていた時にこの本を見かけ、まさに知りたかったことが書いてあるかもしれない、と思い手に取りました。 「こうすればやさしくなれる!」というハウツー本ではなく、やさしさとは何かを丁寧に易しく、そして思慮深く紐解きながら説いてくれる内容で、深く内省・内観するための支えになってくれました。 やさしさだけでなく、現代の息苦しさや日常に潜む他人の殺気の原因についても通ずることが書いてあり、己を省みて、周りを見渡す良いきっかけになりました。2周目を読み終えて、以前よりも歯を食いしばっていないことに気づきました。 読むことができて本当に良かったと思います。これからの日々の中で、お守りよりは明確さがあり、教科書よりはやわらかさのある、そんな大切な一冊になりそうです。 - 2025年9月15日
生まれた時からアルデンテ平野紗季子読み終わったずっと読みたかった紗季子さんのエッセイ。 エッセイ自体をあまり読まないこともあるけれど、捉われない自由な切り口のページたちで、驚きながらもさまざまな食べ物の断面を見ていくようなワクワクとドキドキ、時々不安に近い気持ちにもなりながら一気に飲み干してしまった(飲み干す、に近い読後感) 「のさばるレモン考」と「かき氷を認める」は傑作だと思いました。そして突き刺さった、『他人の舌で味わったひとの言葉は弱い。』という一文。久しぶりに本に付箋を貼りました。 - 2025年9月15日
貧乏サヴァラン早川暢子,森茉莉気になる読みたい - 2025年9月15日
さみしくてごめん永井玲衣気になる読みたい - 2025年9月15日
- 2025年9月15日
- 2025年9月15日
シュガータイム小川洋子(小説家)読み終わった長年読書から離れていて、リハビリのために読み始めた2冊目の小説でした。私はずっと、こういうものが読みたかったのだと、あとがきまで読んでほろほろと涙がこぼれてきました。 帯に書かれている「青春というシュガータイム」という言葉からは、かけ離れているような不可思議さと日常、苦さと静謐さ、そして美しい光の粒に満ちあふれている一冊でした。また少し時間をおいて、静かに読み返したいと思います。 - 2025年9月14日
プラハの古本屋 (中公文庫)千野栄一読みたい - 2025年8月31日
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい大前粟生読みたい
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