
CandidE
@araxia
2025年9月26日

19世紀イタリア怪奇幻想短篇集
橋本勝雄
読み終わった
勝手な大雑把な印象を申せば、イタリア文学は低刺激・高残響の傾向がある。本書『19世紀イタリア怪奇幻想短篇集』の魅力も、怪奇や恐怖が突き抜ける力よりも、宗教や科学、家庭や風習という生活の制度を通して、日常の奥にじわりと滲む不安や風刺を映し出すところにあるように思う。そして、比較文学やイタリア文化・文学史の足場としての価値を強く感じた。
アッリーゴ・ボイト「黒のビショップ」がスマートで印象に残る。


