記憶の本棚 "悪いものが、来ませんように" 2025年10月1日

悪いものが、来ませんように
どうして気づかずに、度々感じる違和感に向き合うことなく、物語を読み進めてしまったんだろう。 最後まで読んで真実を知って、もう一度最初から再読すると、真実をそのまま描写しているのに、どうして自分の解釈で物事を違く捉えてしまうんだと唖然とする。 ただ単に作者のミスリードへの誘導が巧妙と言ってしまえばそれまでだが、人間が物事を受け取り理解する行為はいかに自分本意なのかということを思い知らされた気がした。 とにかく『衝撃のラスト25ページ!』とか『巧妙に隠された衝撃の真実』とか読む前からどんでん返しがあることを知っているのに、まざまざと引っかかりました。 最初に読んだ時に所々で感じた違和感は、真実を知った後再読すると、全然違和感なく読めて、「あぁ、それでこんな言い方したのか」とか「それを隠す本当の理由は、…他ならない無償の愛なんだな」とか、なんかその愛に感動すらしちゃって、気付けば泣きながらラスト25ページを読んでました。 タイトルと表紙的にホラーかと思ってたんですが、違います。壮大な愛の物語でした。とっても面白かった!芦沢さんの他の作品も読みたくなった!
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