
しまうま
@shimaumova
2025年10月4日

リンカーン・ハイウェイ
エイモア・トールズ,
宇佐川晶子
読み終わった
やはり傑作でした。
よんどころない事情で入所していた更生施設を出、真面目に新しい人生を始めようとする若者と、彼の唯一の肉親となった幼い弟。そんな二人をのんきに振り回す更生施設の仲間たち。お陰で、兄弟はネブラスカからリンカーン・ハイウェイで一路サンフランシスコを目指すはずが、一路ニューヨークを目指す羽目に……。
全ての登場人物に物語があって、彼らの殆どが、なんとも愛すべき人達だった。
今で言う発達障害のような気質をもつ弟を、誰よりも深く理解し、誰よりも大切に丁寧に扱う兄・エメットと、いつも注意深く賢明なやり方で物事を考え、誰よりもエメットを慕う弟・ビリーの兄弟愛がとりわけ心に響いた。
毎度こんなに面白くてハイセンスで見所しかないような練達の小説を書けるエイモア・トールズ。彼の作品を無限には読めない事がいっそ悲しい。


