
花木コヘレト
@qohelet
2025年10月4日

ハンセン病とキリスト教
荒井英子
読み終わった
図書館本
ハンセン病
この書籍が、約30年前に出版されているということは、いったい私は何を30年生きてきたのだろうか?ということを意味すると思います。
本書では国はもちろん、キリスト教も小川正子さんも光田健輔さんも、そして神谷美恵子さんも、決定的に「救う」側の立場を崩していないと、一貫して批判されています。
そして、本書を読む時に、覚悟しなければならないのは、読者の自己批判は期待されていない、ということだと私は思います。つまり、読後に己を小川正子さんや光田健輔さんらとともに断罪するのは、救らい思想を生き延びさせることになると、私は思います。
そういう意味で、本書は私たちの良心の試金石になるでしょう。この書物を読んだ後には、私たちは全力で彼らから逃げなくてはならないと思います。そこに自らを批判する猶予は残されていません。すぐさまハンセン病回復者に並ばなくてはならないと思います。
差別する、しないに、中立項はありません。グラデュエーションはありません。弱いことが弱いのではなく、弱くないことが弱いことなのだと、本書を読んで確信した次第です。


