
碧衣
@aoi-honmimi
2025年10月4日

薬物依存症
松本俊彦
読み終わった
薬物乱用防止教室で見た映像に恐怖を感じた小学校の高学年の頃、いつしか恐怖は薬物に限らず依存症全体への興味と関心に変わっていった。
どうして人は薬物を使用して、それに依存し、捕まってもやめることが出来ないのか。
薬物の歴史から依存症のメカニズム、刑罰や規制の問題点、自助グループへのハードル、精神医療の課題など長年、薬物依存症患者の支援に携わる著者の試行錯誤と実績が記された一冊。
そもそも、飲酒やギャンブルをする人すべてが依存症になる訳ではないように薬物を使用した人すべてが薬物依存症になる訳ではないという一文にハッとさせられた。その辺から認識が伴っていなかったことに気付く。
それでも薬物を使用し続け、依存症にまで至ってしまうのは快楽を欲しているというよりも苦痛や悩みや孤独感などの一時的な緩和、自身のトラウマから来る苦痛を薬物使用という別の苦痛で緩和させようとしてしまうというのはどこか納得がいく。それは他の依存症にも言えそうだ。
そんな薬物乱用のリスクにあるとされる中高生の特徴に自尊心が低く、家や学校に居場所や信頼できる大人がいない自傷行為の経験がある子というのにかつての自分は当て嵌まっていた。だけど、私は薬物に対する恐怖心があったから薬物には手を出さなかった。その辺はある意味で運が良かったのかもしれない。
