カズ
@Kaz-culture
2025年10月4日

BUTTER
柚木麻子
読み終わった
10/5 読破。
一言感想: バターのように濃く、どこまでも話の内容が深く浸透していく。
初めは色仕掛けによる梶井真奈子と雑誌記者である主人公の里香の対立を描くミステリーかと思ったが、全くそんなことはなかった。
グルメの舌を持つ梶井を取材していくうちに、どんどん彼女の過去やそれを取り巻く人たちの人生をも巻き込んでいき、、、
いつしか目を向ける先は梶井ではなく、それぞれ登場人物の内面や人生観を見つめ直すきっかけへと繋がっていく。
この感じで終わるかなーという期待をどんどん裏切り、まだまだ続く急展開に熱中しました。
あえて残りページが見えにくいKindleで読んだからかも?
なんといっても作者の料理表現が非常に秀悦で、まるで目の前で調理が行われているかのような文章表現が非常に印象的でした。
自分のために生きる(料理する)。
誰かの“ため”ではなく、誰かの幸せに“繋がる“ことが大切。
それが最終的なこの本のメッセージなのかなと思いました。
