
碧衣
@aoi-honmimi
2025年10月8日

球形の季節(新潮文庫)
恩田陸
読み終わった
5月17日に如月山にUFOか宇宙人がやって来て、エンドウという生徒が攫われるか、殺される─。
東北の地方都市にある四つの高校の生徒達の間に広まる噂を調査する四校の生徒が集ったクラブ地理歴史文化研究会(地歴研)のメンバーは噂の出所を探そうとするが…
そして、5月17日。ひとりの女子生徒が行方不明になる。
眠っているような町、管理された毎日に飽きと不満と鬱屈を募らせる高校生達。彼らの強い自意識と葛藤が見えて来る。
そこに現れた非日常。そして、ある者達が辿り着ける本来の町の姿。
予測出来る未来に退屈と失望を覚える者、予測出来ない未来に恐怖と不安を覚える者、どんな未来にも正面から立ち向かうと決めている者、そして、いなくなった人を待つ者。
どの人が町に行けるのか、そうではないかが否応なく分かってしまう。
自分はどちら側だろう。少なくとも行ってしまう方ではないけど、かと言って待つ方でもないのだろうな。

