あるく "人魚の石" 2025年10月9日

人魚の石
人魚の石
田辺青蛙
祖父が住職を勤めていたある山寺を亡き祖父から継いだ主人公が、人魚の男「うお太郎」と出会うことから始まる怪奇譚 山奥を舞台にしたゆるファンタジー小説かな?と思わせてサラッと猟奇的な描写もあり、ラストはホラー展開 とは言えうお太郎と主人公の味のあるやり取りや美味しそうな田舎飯の描写(味噌握り食べたい)などは「ほんわか」していて……なんというか、掴みどころのない作品だった 山寺の周辺には様々な力を秘めた石が転がっていて、主人公はそれを見つけることができる。物語序盤に祖父が主人公の兄の記憶を抜き取り封じた「記憶石」というものが登場し、それには殺人事件の目撃情報が入っていた 祖父は何故記憶を抜き取ったのか? 主人公には何故そんな力があるのか? じとっとしていない淡々とした恐怖描写が逆に怖かった この作家の小説ははじめて読んだけど、クセになる空気感 もっと読んでみたいと思った
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