
燕
@Gaming_swallow
2025年10月8日

西の魔女が死んだ
梨木香歩
読み終わった
家族に「思春期の子の感情描写がうまい」と言われて読んだ。
周囲の環境に溶け込めずにいる少女、魔女(あるいは魔法使い)の近くて遠い大人、意志の訓練……みたいな要素は、有間カオル「魔法使いのハーブティー」を思い出した。中学時代に読んで、かなり好きだったので一時期は手元にも置いていた。もうないし、何年か前に読み直そうとしたら人の描写が記憶よりきつくてしんどかったので読み直せてないけど。
多分、こっちも読み直そうとしたらゲンジさんに対する敵意の描写でしんどくなって投げ出しそうな気がする。最近は妙に敵意や悪意の描写にしんどくなりやすい。特に日本人作家の。(なぜか海外のだとほとんど読める)
脱線したが、こちらは短くまとまっていて読みやすいとは思う。落ち着く場所だったはずなのに敵に見える、あるいは思い込みの描写も、こういうことあったなあと思ってしまう。
いじめ(無視)の描写は、やや迂遠ではあったものの個人的には食傷気味だが。これは単に創作物においていじめなどの描写が出ると辟易して冷めるという私個人の問題にすぎない。無縁だったのだけれども。
後日談の「渡りの一日」は蛇足にも思えたような、引っ越したあとのまいがどうにかうまくやっているその後が見られてよかったような、妙な気分だった。
