DN/HP "残像" 2025年10月10日

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2025年10月10日
残像
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ジョン・ヴァーリイ
「同性愛の禁止(タブー)などといった有害な考えは、かれらには思いつくことさえできなかった。」 再読のきっかけというのは色々なところから訪れる。映画や音楽、ラジオで聞くニュースに友達との会話、それにもちろん読書からも。何度目かの読書は、そのきっかけやそのときの自分と社会の状況によって受ける印象や目に留まるラインが変わってくるし、そこにある選択肢も増えていくような気がする。 ある属性を元に、あるいはそれらを無視して作られる社会、コミニティとそこで生まれてしまうアウトサイダーについて。「残像」で変化を決断する(できる)のはアウトサイダーの側なのだけれど、そんな物語を読んで「社会は万人に適応するため、多少であれ自ら変わらなければならないのである。」と、再読のきっかけになった本のラインをまた思い出した。 今回もやっぱり凄まじい短編だと思ったのだけど“今”読むことで気になることも出てきたりもして、次に読むときまではそのことを考えておきたいなと思った。最高だと思った本ほど手元に残っていなかったりするのだけど、次のタイミングが来るまではこの文庫を手放さないようにしようと決めて、特別なときに使う栞を挟んで、お気に入りの巾着に入れてから大事にバッグにしまったのでした。
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