
つたゐ
@tutai_k
2025年10月11日

絶滅の牙
レイ・ネイラー,
金子浩
読み終わった
めちゃめちゃ面白かった!マンモスを復活させることができるようになった近未来、そのマンモスに意識を移植された象の保護をしていた生物学者ダミラ。
マンモスを狩ろうとする裕福ではない親子、逆にべらぼうな金を積んでマンモスを狩る権利を買ったカップル。マンモスになったダミラを取り巻く人間たちの資本主義に振り回される姿と、現実に起こっている象の密猟が引き起こしている様々な歪みや格差について生々しく描かれているのがとても良かった。中心となるのはマンモスの「密猟」なんだけど、際限のない人間の欲望が生み出す搾取がしっかりと書かれていたし、人間同士の関わり方……「分かり合えないことに気づく」、人は自分の人生を歩み出した時、共通の言葉を失ったり、もう一緒に歩けないことを受容するしかない、ということなども読み取れて、とてもよかった。
