
霧
@yoruto
2025年10月11日

京都祇園もも吉庵のあまから帖 2
志賀内泰弘
読み終わった
借りてきた
p284より、抜粋。
「世の中にはなあ、知らん方がええこともある。聞かん方がええこともあるんと違いますやろか?」
「……」
それは間違いなく、勇に向けられた言葉だった。
「昔から、秘すれば花と言いますなぁ。もし、知ってしもうたら、聞いてしもうたら、辛い思いをするお人がおるんやないやろか。人の心を苦しめてまで、知らなあかんことはないのと違いますやろか」
強くはあるが、やさしさを含んだ瞳で見つめられた。