
まいける
@bluesky42195
2025年10月12日

山に抱かれた家 迷い道
はらだみずき
読み終わった
感想
はらだみずき
読み終えて、ふと表紙を見てみると、文哉と凪子が描かれていた。坂を下りていく凪子と振り返った後、坂を上ろうとしている文哉。象徴的な一場面が描かれていた。
文哉は、ずんずん前に進んでいく。本人は否定しても、迷いつつその場に佇んでいる凪子には眩しく取り残されている感があったのではないか。身の危険を心配され、行動も制限され、内に向かうしかなかった凪子。
凪子が以前の場所に戻り、文哉と同じように寂しさが募った。でも、文哉は凄いなあ。自分で決めた生活だから、泣いてもへこたれない。ついに自分で風呂を作りあげる。
「自分は今、幸せだ。」と。
文哉がどんどん遠くなる。親近感や憧れよりも、違う感情が芽生えてくる。文哉が書いた凪子への手紙が凪子にどう届くのか。凪子が自立の手がかりを見つければ関係はまた好転するのか。凪子の心の方が気になってしまう。
続編に期待。



