めい "東京の空の下オムレツのにおい..." 2025年10月14日

めい
めい
@meiji_chan
2025年10月14日
東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)
「バタ」「生ま」「お客様のとき」…小説よりもエッセイの方が時代を感じられる。いかにも昭和、高度経済成長期の古臭さとあたらしさが混ざった居心地のいいレトロ(しかも最近の薄ら寒いレトロ感じゃなくて本物)な空気がただようのに、ムサカ。スパニッシュオムレツ。ズッキーニのグラタン風、おそらくトルコの「お坊さんの気絶」みたいな料理まで出てくる。リアルタイムで連載を読んでいた当時の人たちはどんな気持ちで読んでいたんだろう。私は平成生まれだけど、子供の頃にハリーポッターや赤毛のアンに出てくる食べ物に憧れたような感じだろうか。 イギリスにいたことがあるので、めしのうまい国にいると昭和と平成でもこんなに豊かさが違うのかと愕然とした。いくらうまくても毎朝ほぼ同じ朝食だと閉口した。なのに10年以上経っても、普通に日本で似たような朝食を食べているので、若い頃の海外体験はその後の人生に変なところでものすごい影響を残すのかもしれない。 それにしても「バタ」が大活躍しすぎている。
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