
まいける
@bluesky42195
2025年10月16日

金環日蝕
阿部暁子
読み終わった
感想
『カフネ』の読後感がよかったので、阿部曉子さんの世界にふれたくて手にした。
ひったくり犯を捕まえようとする春風と錬。冒頭場面からもう一気に後半まで読んでしまった。
「彼は平時は紳士なので安心してください」
「なら非常時の俺は何なんですか?無鉄砲の権化の春風さんに言われたくないんですけど」
春風と錬の関係も二人の持つ魅力もこの物語の推進力になっている。正義感の塊に見えるふたりのもつ冷徹さと深い闇。
「私は弱い。私は囚われている。」
それを認めることによって踏み出せる未来があるかもしれない。
北海道の豊平川、ふわりと羽根のような雪、白い冬の使者たちが舞い降りてくる空。
大好きな北海道の情景が目に浮かび、善悪で割り切れない闇から光が微かに見えてくる。
今回も阿部曉子さんに魅了された。




