
なこ
@nonbibiri75
2025年10月19日

天使の柩
村山由佳
読み終わった
借りてきた
感想
歩太にもやっと救いが現れたこと、読んでてホッとした。本当に嬉しかった。
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家庭環境に問題を抱えた少女・茉莉と20歳年上の画家・歩太の邂逅のお話であり、歩太が「天使の卵」から続く過去の呪縛から解放されるお話でもありました。
茉莉の環境は本当に悲惨。これだけ容赦ない描写を読むのは久しぶりで、「うわぁ、このむごさがムラヤマ節、読むのやめたい」と何度思ったか😅 ティーンの危うさも見事に描き出されています。
偶然出会った茉莉を受け止めていく歩太。恋愛小説だと決めつけて読んでたので「年齢差…🫠」と思っちゃったんですけどね。
(あ、この先ネタバレかも)
簡単に名前がつく関係ではなかったです。お互いに大切で、守りたくて、癒しになる。別に「恋人」じゃなかったとしても、この二人は一緒にいることが自然なんだな、と。歩太が何か吹っ切れたようで、読んでて泣きたくなるような幸福感を感じます。
…で。
散々つらい思いさせた後で、拍子抜けするくらいあっさり幸せに持っていくのもムラヤマ節って感じがしました笑。
「天使の卵」は軽いトラウマ級の記憶で、「天使の梯子」で夏姫はひと足先に解放されたのを見てほっこりしてました。今回の「天使の柩」で夏姫のその後を見つつ歩太の解放を見て、結果的には良い三部作だったなと感じています。彼らの人生は続く。いい結末です😊
家族への推薦度★★☆☆☆
(とはいえ、家族みんな天使シリーズと相性悪そうなんだよなぁ…)

