
RIYO BOOKS
@riyo_books
2025年11月1日
レクイエム
アンナ・アフマートヴァ,
木下晴世
読み終わった
石の言葉が投げつけられた
私のまだ生命のかよった胸のうえに
なんてことはない 覚悟はしてきた
これも何とか切り抜けられるはず
私は今日はすることが山ほどある
想い出をひとつ残らず死なせること
心を石にしてしまうこと
もう一度生き方を覚えること
さもなければ……夏の燃えるような葉ずれの音
窓の外さながら祝日のよう
私はもうずっと前から知っていた この
明るい一日と人気のない家を
アンナ・アフマートワ『レクイエム』「宣告」

