
きらた
@kirata
2025年7月17日

読み終わった
真っ先に大切な事を書いておきたい
これは安心して読める方の西澤保彦作品です
西澤保彦作品は闇雲に読んで行くとトンデモナイ内容を掴む時もある
作品のクオリティが、ではなく、ジャンルが幅広すぎると言うのか、振れ幅が凄まじいとでも言うのか‥
‥‥うん
そこら辺は西澤保彦作品を追い始めれば痛感すると思うので、詳しくは語らないのが花か←??
兎も角
本作は、大食いで本好きのエミール(日柳永美)と甘党で映画フリークのユキサキ(柚木崎渓)、2人の高校生が主人公の、仄かな甘酸っぱさを纏いながら、解かれないまま過去に埋もれていた謎を解き明かして行く、安楽椅子探偵系の連作短編集なのです
エミールは祖母(と亡き祖父)の蔵書を愛するミステリ大好き少女
ユキサキはジャンク映画好きで穴場的なカフェに入り浸る少年
特筆すべきはやはりエミール
祖母たちの代からのミステリにも通じているので、話の中にチラホラと“読んでる·読みたい”ミステリが出てきたりするのだ
あーもう‥すき♡
‥‥
話を戻そう
収録作のいくつかにちょっと不穏かなぁ?と感じた箇所があった様にも思いますが、もしかしたら“作者が西澤保彦”との考えが影響した可能性もあるので、それは話半分でお願いします
基本的には2人の関係に微笑ましさといじらしさ(!?)を感じながら読めます
昔あった事──あれは何だったのか?
みたいな日常の謎的出来事を、時を超えて今、高校生2人が解き明かす
基本的には会話劇になるだろうか?
特殊設定もなく(エミールの大食いはある意味特殊だろうが)、SF要素もない、普通の現代が舞台の安楽椅子探偵もの
核となる謎解きも楽しいのだが、高校生2人の関係の進展具合を読み進めていくのも楽しい
一粒で2度美味しい‥ような気になる、作品でした
私が読んだのは光文社文庫版ですが、そちらには書店員さんによる解説(山中由貴)があります
解説の最後に挟み込んだ手紙風の文面にメッセージを込めるとのニクイ演出?もあり、読み解いてニヤニヤするのも一興
愛されてるなぁと強く感じるこの解説は、読んでてが心温まり、作品自体の締めから続く柔らかな感想を更に強めてくれました