
まめご
@mmg_86
2025年11月3日

庭
小山田浩子
読み終わった
『読んでばっか』で江國香織が「おもしろいという言葉ではたりないくらいおもしろく」と形容していたので読むことにした、小山田浩子の短編集。
なんでもっと早く読まなかったんだろう、というのが初めの2、3編を読んだ時の感想で、読み終わった今は他の作品も読むぞと決めている。
収められた15の短編のどれにも、ごく自然に、でも無視できない確かさで不穏が漂う。
著者と同じ街に住んでいるので、舞台になった場所はいくつかあの辺りかなと分かるものがあるし、時折出てくる方言は馴染んだ響きのものもある。
だからなのか、この不穏が本から染み出して私の日常にも潜んでくるようなリアリティがあって、そのひやりとした感覚がクセになってしまい、ページをめくる手が止まらなかった。
別に疑っていたわけではないけれど、江國香織は全くもって正しかった。
本当に、面白いとしか言いようのない面白さの小説たちだった。







