

まめご
@mmg_86
本が好きです。全然読まない日もあって読書ペースはゆっくり。気になる本のリストばかりが増えていきますが、それを眺めるのも楽しいものです。
- 2026年6月8日
誰も知らない世界のことわざエラ・フランシス・サンダース,前田まゆみ借りてきた読み終わった『翻訳できない世界のことば』が良かったのでこちらも。 あまり考えたことがなかったけれど、ことわざって確かにそのままの意味だと訳の分からないものが多い。 「ある日はハチミツ、ある日はタマネギ」とか「誰かを、その人のスイカからひっぱり出す」とか、説明がなければ意味が分からない。 同じ意味の日本のことわざは何があるだろうと考えながら読むのも楽しく、ページをめくっていくと、イボ語のことわざの説明のところに「イボ人はことわざをめったに説明しません。どんな意味かは、聞き手が知っていなければならないのです。」とあり、おお…と手が止まった。 この本のコンセプトを根本から否定しているように思えたのだが、よく考えたらこれはきっと“イボ語話者の間では”という前提なのだろうし、そうであればどの国のことわざも似たようなものだろう。 「弘法も筆の誤り」は弘法大師空海が書の達人であることを知っている前提で成立するものだし、「糠に釘」も糠がどんなものなのか知らなければ意味は分からないだろう。 ことわざって文化だ。 とても面白かった。 - 2026年6月2日
- 2026年6月1日
北朝鮮に出勤しますキム・ミンジュ,岡裕美借りてきた読み終わったかつて、南北融和の太陽政策の一環として稼働していた開城工業団地。 そこで働いていた韓国人女性による、1年間の出来事を綴ったエッセイ。 開城工業団地の存在や最終的に連絡事務所が北朝鮮によって爆破されたことは、当時ニュースで見聞きしていたものの、詳しいことはこの本で初めて知った。 ただここに綴られているのは政治的ないきさつではなく、あくまで1人の働き手の女性が経験し、感じたことだ。 あまりにも異なる常識に思い悩み、またそれを超えて気持ちを通わせることができた喜び、新しい考え方を獲得していく様は、読んでいてただただ面白い。 だからこそ、北の核実験に端を発した突然の操業停止という結末、共に働いた人たちとは二国間の関係から恐らくもう会えないであろうことにはやるせなさを感じる。 また、徹底的に管理教育がなされ常に監視されている北の人たちの考え方や行動原理は、私にもなかなかショッキングなものだった。 いつか北朝鮮も国の体制を一新する日が来るかもしれないけれど、その時にどうすればこの人たちが変化を受け入れ穏やかに暮らしていけるのだろう、と考えるとため息が出る。 著者と共に働いていた北の人たちが何の心配もなく素直に再会を喜び合え、何の気兼ねもせず好きなように会話を楽しめる未来を願わずにはいられない。 - 2026年6月1日
帰りたいカミーラ・シャムジー,安納令奈,金原瑞人気になる - 2026年5月27日
トルコ怪獣記高野秀行気になる読みたい - 2026年5月27日
パレード吉富貴子,川上弘美借りてきた読み終わった『センセイの鞄』のツキコさんとセンセイの、ある夏の午後のひとときのお話。 私は2人が何かを食べる場面がとても好きで、この本でも食べるシーンがあったのが嬉しかった。 これはどの作品にもいえることだけれど、川上弘美の食べ物の描き方にはいつも目を見張る。 特に詳しい描写はなく、食材の名前、色、形状がシンプルに並んでいるだけのことも多いのに、どれも驚くほど美味しそうなのだ。 どういうことだろう、と思う。 そういえばツキコさんとセンセイの会話もそうだ。 2人とも言葉数は少なく、短い言葉をゆっくり重ねていくように他愛もない話をする。 それなのに台詞の間には情感が満ちている。 挿絵をたっぷり挟んでも70数ページというごく短い物語の中に、豊かな2人の時間が流れている。 好きな小説はいつも読み終えるのが惜しくなるけれど、本を閉じた後にもこんな世界があるかもしれないと思えると愉快だ。 - 2026年5月26日
プラハの古本屋千野栄一借りてきた読み終わった中公文庫版がReadsで話題になっていて知ったこの本、図書館にあったのは1987年に出た大修館書店版の方だった。 チェコがまだチェコスロバキアという共産主義の国だった頃、プラハに学んだ言語学者による、ビールと古本と学問と、それにまつわる人々との話。 時代的なものか私の無教養のせいか、使われている言葉や表現には初めて目にするものも多く、意味を調べることがいつもより多くて楽しかった。 インターネットがあって当たり前の今、つい忘れてしまっているけれど、モノでも情報でも自分が欲しいものは自分の足を動かして手に入れに行くしかないのだし、だからこそそれが自分にとって大きな価値を持つのだ。 ということを、ユーモアと知性に満ちた軽やかな文章は教えてくれる。 『もやしもん』で知って以来憧れている“黄金の虎”で飲む話を読めたのは嬉しかった。 いつか実際に訪ねて、生のピルスナーウルケルを楽しんでみたい。 - 2026年5月23日
- 2026年5月17日
いろいろ色のはじまり田中陵二読み終わった日本の古いものに興味のなかった私が大学で文化財のことを学びたいと思ったのは、仏教美術でも建築物でもみんな茶色っぽくくすんで見えるものが、作られた当初は鮮やかな色をしていたということを入門科目の講義で知ったのがきっかけだった。 ということを読みながら思い出した。 群青、緑青、朱、ベンガラ、その他たくさんの色たち。 原料が何でどうできているかはテキストで説明され必死で覚えたけれど、具体的な手順は想像もできなかったし知ろうともしなかった当時の私に、写真も豊富なこの本を読ませたい。 日本の色だけでなくパリグリーンの話も出てくるし、現代の色素のテクノロジーの話もある。 青の絵の具の話は、谷口陽子、髙橋香里『なんで人は青を作ったの?』ともリンクする部分が多く、改めて人がいかにより青い青を求めてきたかを思い出した。 鮮やかな色を求めるのは、人間の本能の一つなのかもしれない。 - 2026年5月15日
京都 祈りと差別の千二百年磯前順一気になる読みたい - 2026年5月15日
奇妙な国境や境界の世界地図ゾラン・ニコリッチ,松田和也気になる - 2026年5月13日
独裁者の料理人ヴィトルト・シャブウォフスキ,芝田文乃気になる - 2026年5月10日
アメリカ南部の台所からアンダーソン夏代気になる - 2026年5月10日
食の歴史学原田信男気になる - 2026年5月10日
- 2026年5月9日
読み終わった3月の終わりに借りて予約がないのをいいことに延長しまくり、やっと読み終わった! なかなか進まなかったのは単に私の状況の問題で、この本自体は読みやすかったしとても面白かった。 カザフスタンでは普通の人が日々の暮らしの中で、賄賂というか非公式な金品のやりとりなしでは物事をスムーズに運べない、そういう手段を使わざるを得ないような場面が少なくないという。 それは収賄する側の個人の利益どうこうではなく社会のシステムに組み込まれているということで、この本は豊富なインタビューからの事例をもとに、その複雑で巧妙な構造を分かりやすく解き明かしてくれる。 初めのうちは思わず笑ってしまったり「ひょえー」とか言いながらのんきに読んでいたのだけれど、読み進むにつれ真顔、最後はたぶん眉間に皺が寄っていたと思う。 救急搬送されてきた血だらけの患者や陣痛がきている妊婦に、「まず払うもの払ってね」などと言えてしまう感覚は、いくら賄賂が構造化された中で育ったからと言っても、完全に一線を超えてるだろう…とドン引きである。 もちろんカザフの人たちもそれを良しとしているわけではなく、賄賂を拒否する人もこの状況に憤りを感じている人もたくさんいるという。 それでもこのレベルで社会の中に組み込まれてしまった賄賂というものから、脱却するのは簡単ではないだろうなと思う。 「公式か非公式かを問わず、あらゆることに十分なカネを払わなければ人間らしく暮らすことのできない社会は、「腐敗」した社会なのである。」という著者の言葉が、重い。 - 2026年5月8日
あやかし草子千早茜気になる読みたい - 2026年5月8日
- 2026年4月30日
トルコから世界を見る内藤正典読み終わった初めてのちくまQブックス。 ターゲットは10代の読者で、小説ではないノンフィクション読書に挑戦するきっかけに、ということだそう。 テーマがはっきりしていて分かりやすく、短いので読み通しやすい。 身辺がバタバタして落ち着かない今の私にも優しい本だった。 トルコという国はヨーロッパとアジアの間にあって、キリスト教とイスラム教どちらの影響も受ける所だ。 どちらともうまくやっていかねばならないそんなトルコという国の「ものさし」を知ることは、異文化理解の手がかりになる、というこの本は、少し前に読んだ『〈中東〉の考え方』と重なる部分もあって、とても面白かった。 そして、中東に向ける自分の「ものさし」がいかに欧米に寄ったものかにも気付かされる。 今こんな時だからこそ、自分と異なるものを知ろうとする努力、自分の中のものさしを増やしていく努力は続けていかないとなと思う。 - 2026年4月28日
エレガンス入門中野香織気になる読みたい
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