
飴田
@hukuro_neko
2025年11月8日
![歌う船[完全版] (創元SF文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/513l1s-8cgL._SL500_.jpg)
歌う船[完全版] (創元SF文庫)
アン・マキャフリー,
嶋田洋一
読み終わった
優秀な頭脳を持つ一方、機械に繋がれなければ生きていけない身体で生まれたヘルヴァ。全身の神経が装置に接続され、サイボーグ宇宙船の<頭脳>となった彼女は、課された任務をこなすため銀河中を日々駆け巡る…
ヘルヴァの相棒となるのが、<頭脳>に対して<筋肉>と呼ばれる探索員たち。<筋肉>は任務ごとに基本ひとり同行する。優秀ながら個性は様々な彼らとのコミュニケーションを通して、ヘルヴァの心が揺れ動き、成長していく様に胸を打たれていく。この<頭脳>と<筋肉>の関係性、設定にぐっと惹かれる。
そして作品の一番の魅力を個人的に挙げるなら、なんといっても主人公ヘルヴァ!彼女のことが大好きで仕方がない…!私も招集がかかったなら大急ぎで身支度し彼女のもとへ馳せ参じてこう言う…「乗船の許可をお願いできますか?」
賢く、優秀で、好奇心旺盛で、チャーミングで、優しい。機転が利き、軽口も叩くし愚痴も吐く。時折まじる皮肉たっぷりな言いぐさもたまらない。なんて愛らしい主人公…!
そんなヘルヴァが任務を通して様々な出来事を体験していく。直接身の危険が迫ることもあり、どうか彼女にぴったりの相棒が見つかって、寄り添ってくれないかと願ってやまないそんな頃、とびきりの展開が待っていた。まっすぐな愛情に、どれだけ胸が熱くなったことか!!
締めくくりも、前を向き進んでいく希望とそれを包み込むあたたさがあり、大好き。
あの最後の台詞まで、ほんとうに、めいっぱいの愛。
出会えてよかった……
▼好きな場面など
「このいかれた、裏切り者の、縮れ頭の…」
「この酔っ払いの、女たらしの…」」
お互いに遠慮のない言葉で本心をぶつけあう場面 大好き
「ぼくが皮肉屋なのは幸いだ。心優しいきみとバランスが取れるからな」
こんな台詞まわしがどんどん続く 何…?もう、好き…
「ハネムーン」と「船は還った」の間の期間が章仕立てで描かれないのがまた…良きです…