ないとうなみ "イラクサ" 2025年11月10日

イラクサ
イラクサ
アリス・マンロー,
小竹由美子
エキセントリックじゃない翻訳もの、と思った。よかった。 時間がひょいと変わる。いつのまにか数十年経っていたり、数十年さかのぼっていたりして、読み進めていくうちにそういうことね、とわかる。人生は実際にはそんなにきれいにつながっていない。不意に日記帳を開き、なんとなく目についたページを読むうちにその日のことを思い出す。記憶を反芻し終わったところで日記帳を閉じ、生活に戻る。過去と現実の関係ってたいていこれくらいのものじゃない? 誰かが誰かの人生を活字にしたら、この本みたいになりそうだ。
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