
はる
@tsukiyo_0429
2025年10月31日

外国語独習法 (講談社現代新書)
大山祐亮
読み終わった
よくSNSを拝見していて、ずっと読みたいと思っていた本。
独学で外国語を学んでいく際にどのように学習していけば良いか、ノウハウがたっぷり書かれており、たいへんためになった。
以下、ドイツ語学習に新たに取り入れたいことを挙げる。
・暗記アプリを活用する。
・単語を覚えるときは文やフレーズで書き取りを行う。
・例文を複数個並べ、書き写しや音読を行って活用例に慣れる。
・テキスト1周目は速く浅く、2周目は丁寧に、を心がける。
・会話力を上げるために、作文力を鍛える。
・文章をすばやく組み立ててアウトプットするために、例文をたくさん音読する。
・「やさしい日本語」を参考に、言いたいことを言い換える練習をする。
・非母語話者と会話練習をする。
以上の学習法はもちろんだが、私にとっては、学んでいく際の心構えのような部分もたいへん励みになった。
・語学における失敗とは、途中で諦めてすべて放り出してしまうこと。究極的には、その一点に尽きます。途中でやめさえしなければ、いくら怠けようが語学力は進歩します。(P10)
・高いレベルに到達できなければ語学学習には意味がないというのも極端な考えです。上級レベルに到達しにくいからといって、年齢を重ねてから語学を始めても意味がないということにはなりません。外国語を極めるのではなく、その言語の学習を楽しむことや、コミュニケーションをとることを目標にするのであれば、何歳からでも遅くはありません。語学を始めるのに年齢制限などないのです。(P63)
・語学学習において、「語楽」の実現を妨げるような行為は悪です。語学に限らず、楽しんで勉強できていることに対して、「〇〇なんて勉強して役に立つの?」という質問をされることがあります。私自身も経験があります。これほどの水差し発言はありません。
草野球を楽しんでいる人に対して、「なんで趣味で野球なんかやってるの? なんでプロ野球を目指さないの?」と言う人はほとんどいないでしょう。語学も草野球と同じように、趣味として楽しむという選択肢があっても良いはずです。ところが、語学のような「実用的なスキル」と認識されているものでは、「やるからには必ず活用しなければならない」という発想に陥ってしまう人がいます。
〈略〉
語学には実用的な面があるし、それも大事なことです。しかし、実用性は語学のひとつの側面でしかありません。生まれも育ちも自分とは違う他人のことばに触れられる側面、自分の思考をことばにして紡げる側面、きれいな文字やきれいな本を鑑賞する芸術的な側面、自分の進歩を実感しやすい側面など、語学にはたくさんの魅力があります。語学はただの技能やスキルではないし、実用性は語学の本質ではないのです。
これから語学の世界に踏み込もうとする人には、そのすべての可能性を追求する権利があります。仮にスタート地点が仕事上の必要性であったとしても、学習が軌道に乗るにつれて楽しさを感じられるようになってくるかもしれません。仕事として英語、趣味として古代エジプト語を勉強するような人がいても良いじゃありませんか。面白いですよ、古代エジプト語も。
語学の可能性は無限大です。仕事に活かすのもよし、趣味として楽しむのもよし、仕事と趣味の両方にするのもよし。世界には80億人の人間がいるのですから、語学との付き合い方も80億通りあって良いはずです。(P210〜212)
・実際に仕事に使えるかはともかくとして、どんなことでも勉強してきてよかったと思う機会は必ずあります。自分の興味関心の赴くまま、好き勝手に勉強していきましょう。自分の人生は自分自身の手で飾り付けるものなのですから。(P215)
自分の好きなことを勉強したっていい。
継続さえできていたら大丈夫。
そう前向きな気持ちになれる言葉とたくさん出会い、とても励まされた。
これから先、ドイツ語を学んでいく中で立ち止まってしまうときが来たら、この本を読み返したいと思う。
