
クラゲ人間
@kurageningen
2025年11月12日

かつて読んだ
南極に生息するペンギンではない、かつて北極に生息していた「本物のペンギン」の数奇な話。
動物園の飼育員である主人公が、とうの昔に絶滅したはずの「北極に生息するペンギン」が映り込んだ写真を発見するところから物語ははじまる。
主人公はそのペンギンの足跡を辿って、リレーのようにいろいろな人に会う。
めまいを覚えるような絶滅した動物への理解のない扱いもあるが、丁重に保護しなければならない、みたいなことそれすらも人の勝手さの一側面で、動物への向き合い方のひとつに過ぎないというふうに思った。
知識や理解のない時代でも、かれら<本物のペンギン>に対する親しみや愛情を持つ人だってたしかにいたからだ。
人の適当さとか、理解のなさとか、愛とか、そういうどうしようもないけど抱きしめたいような感情を、ペンギンのかたちを使って描いてくれていたようなところが好きだった。
オオウミガラスはどんな鳴き声だったのだろう。
