
ア
@zeight_6
2025年11月14日
静かな生活
伊丹十三,
大江健三郎
読んでる
「マーちゃんよ、ひとりの少女が全世界を救うということは、むしろたびたびあったと思うよ。語りつたえられていないだけで。大体ね、全世界を救った女の子自身が、自分のやったことをよくわかっていなかっただろうしさ。…しかしだよ、マーちゃんがベッドのなかで『モモ』を読んでいて、胸がドキドキしてきてね、自分も灰色の男から時間を取り戻して、全世界を救いたいと思ったらば、それがしるしなのさ。ひとりの少女にも全世界を救うということがやりとげられるしるしだね。マーちゃんな、きみが全世界を救うことになってしまったらさ、覚えておいて話してくれよ。僕に話すのがおっくうだったら、イーヨーにね。かれはモモ以上に良い聞き手だからね」
