エフワイ
@sthhhhts
2025年11月15日
編集者=小川哲生の本わたしはこんな本を作ってきた
小川哲生,
村瀬学
読み終わった
小説家がどんな思考経路をたどって作品をつくっているのか、そのプロセスが具体的に語られていて、とても刺激的だった。「読者を想定する」という発想は、創作に限らず仕事で文章を書くときにも通じるので、ビジネスパーソンにも勧めたい一冊。
"あらゆる表現活動は、「ある人間の認知」を、なんらかの手段で圧縮したものだ。何を圧縮したか。そしてどう圧縮したか。その二つの質によって、表現の質が決まる。"(P143)
作者は自分の経験やイメージを“圧縮”し、読者がそれを“解凍”する。読者は解凍を通じて作者の思考に触れるだけでなく、
自分の世界を広げていく。自分の世界を広げていく。そんな創作の本質に触れられるのが本書の魅力。
取り上げられる話題も幅広く、日常のささいな出来事から小説の種を見つける話もあれば、実際の改稿プロセスを小説仕立てで示す章もあって、読み物としても面白い。
「デスゲームの主催者のように読者を振り回す小説」ではついてこないし、「わかりやすさだけを追求した小説」では退屈になる。では、どうすれば“正しくおもてなしする小説”になるのか。
そんな問いに、小川哲ならではの実感のある答えが提示されている。
いま何気なく読んでいる
小説にも、作者の工夫や心づくしが隠れている——そう思うと、一文一文が愛おしく感じられるはず。 いま何気なく読んでいる小説にも、作者の工夫や心づくしが隠れている——そう思うと、一文一文が愛おしく感じられるはず。

