
碧衣
@aoi-honmimi
2025年11月17日
爆弾犯と殺人犯の物語
久保りこ
読み終わった
12月、隕石の落ちた公園で出会った彼女に─正確には彼女の左目に埋る義眼に男は一目で惹かれた。
月日を経て二人は夫婦となったけど彼らには秘密がある。
妻が左目を失った原因はかつて自分が作った爆弾のせいだということ。彼女はそれを知っているのか、知っていたとしてなぜ男と一緒にいるのか、そして彼女の秘密とは…
話としては読みやすいけど、何か好きじゃないなと思っていて何が好きじゃないのかと思ったら語り手である男(星子)の台詞の気持ち悪さだということが分かった。作者の意図なのか技量から来ているのかは分からないけど。
メインの話の他に妻(小夜子)が左目を失ったのと同軸で車に轢き逃げをされて12年間眠り続けた女性とその恋人の話と、漢字が好きな少年と中学校教師の女性、絵の才能のある高校生と彼に好意を寄せる少女の話の関連性はあったのだろうかと考える。後者の2編はなんとなくこれかなというものがあるけど、もう1編は果たして必要だったのだろうか。
起きた出来事に耳を塞ぎ、口を噤んだ先とそれぞれの母と子の向き合い方。果たして因果はどこまで巡るのか。