
かいわれ
@iskaiware
2025年11月19日
読み終わった
日本社会党が長く政権を獲得できなかったのは、現実から浮遊した観念的な理想主義から転換できなかったから。
戦後間もなく社会党が政権を担った片山内閣では、統制経済という状況下で社会主義的方針が力を持った。
また、冷戦が始まったばかりの50年代から60年安保闘争の頃までは、米ソのどちらに日本はつくのか、どちらのイデオロギーに日本の行末を委ねるのか、という選択肢を現実的に示す、という点に社会党の意義があり支持が集まることもあった。
しかしながら高度経済成長を迎え、日米安保を基軸とする軽武装路線が安定するにつれ、社会党内の左右路線対立が原因で一向に観念的な理想主義から変革できず、多数の国民からの支持を得られずに役割を終えた。
理想主義と現実主義に関する論考(p300)や、数の暴力(p157)に対する論考は改めて読み返したい。
気になるのは、比較的穏健な社会民主主義を掲げた民社党も伸びなかった点。今年発刊された『反共と愛国』も読んでみたい