jirowcrew "過去と思索(第四分冊)" 2025年11月19日

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2025年11月19日
過去と思索(第四分冊)
過去と思索(第四分冊)
ゲルツェン,
金子幸彦,
長縄光男
「嫉妬を根本的に排除することは個々の人間への愛を排除し、この愛を女あるいは男への愛、すなわち一般に性愛と取り替えることを意味する。しかし個性的な、個人的なもののみがわれわれの気に入るのであって、これこそがわれわれの生活全体に色どりや〈緊張〉や情熱を与えるのである。われわれの叙情性は個人的なものであり、幸福や不幸も個人的なものである。教条主義は、いかにその論理の限りを尽くして説いても、美辞麗句を並べたローマ人の慰めの言葉と同じように、個人の悲しみを和らげてはくれない。」 (第5部 パリ,イタリア,パリ 触れられた問題についての考察) 均された言葉で宥められる経験は、「その程度」のありふれた経験、つまり個性的ではないということ。もっと言えば、言葉により宥められてしまうような経験は、経験として味わい尽くすことに失敗した出来事であったということ。目の前の出来事に、人々に、ちゃんと向かい合っていれば、激しい愛の情動が湧き上がる可能性はゼロでなくなる。 こうしてスマホに本の感想を書いている間に、そのような可能性を失っている今を嘆くべき?これは宛先のない贈与だと奮い立たせて「個人的なもの」に仕立てようとする今。
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