
碧衣
@aoi-honmimi
2025年11月23日
日本殺人巡礼
八木澤高明
読み終わった
週刊誌のカメラマンとして様々な事件現場を渡し歩いてきた著者が、
人を殺す人間とそうではない人間の違いを探すため罪を犯した者達のルーツとなる土地を訪れる。
山口県の限界集落、北関東、東京ノースエンドとイギリスのイーストエンド、北海道とネパール、東北の農村地帯、長崎のキリシタンが移住してきた島、差別を受けた男が立てこもった旅館──。
土地の歴史と犯罪を絡める手法は斬新だと思うが、私にはいささかこじつけ感が否めない部分が多かったように思う。
西日本や九州では竹細工を営むのは賤業で下駄屋はかつて差別の対象だったことを私は知らなかったし、知ったとしても意味が分からなかった。
現代の日本で暮らす私の感覚からしたらそういった職業差別やカースト制や女性は父や夫や子供に従属するといったヒンドゥー教の教義には正直、反吐が出る。
職業のみならず人種による差別、貧困、家庭環境、戦中戦後の食糧難…
その対象になる人すべてが罪を犯す訳ではないけど、その線引きはいつだって曖昧だと感じる。