
あむ
@Petrichor
2025年11月28日
流れ星が消えないうちに
橋本紡
読み終わった
恋愛小説の顔をしながらも、この物語が持つ意図はもっと深いところにある。巻末の重松清先生の解説がその解像度をさらに深めてくれたような気がする。
以下ネタバレ含みます
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20歳は大人のようでまだまだ子供だ。
そう思うのは自分が20歳をとうに超えているからなのだろうか。
10代の頃の私から見た20歳は大人だったか?
今はもうあまり覚えていない。
これは20歳という年齢の奈緒子と巧が子供から大人へ変化していく物語だったと思う。
過去に囚われ、大切なことは口に出せず、まわりくどく不器用にもがく2人は私から見れば「子供」そのものであった。
しかし、物語終盤で自分なりの答えを見出し、様々な事実を動じず受け入れる2人はまさしく「大人」であった。
最後まで隠され続けた絵葉書の内容に、この物語の結末が何も左右されなかったことがその証拠だろう。
忘れられない傷も、忘れられないことすら受け入れて、生きてゆく。
それに20歳の私は果たして気づいていただろうか。
そう考えると、ひどく幼く感じていた物語序盤の2人だって、私よりずっと大人なのかもしれない。


