
DN/HP
@DN_HP
2025年11月30日

シューレス・ジョー
W.P.キンセラ,
永井淳
古本
買い直した
一章だけ読んだ
散歩の途中に寄った古本屋で読み直したかった小説をピックアップして、また少し歩いたところにある遊歩道のベンチに座って読む。W.P.キンセラの『シューレス・ジョー』、その最初の章「シューレス・ジョー・ジャクスン、アイオワにきたる」。この章は短編小説のように(実際元は短編だ)読みたい。悲しみで荒んだ気持ちのときに読んで、何度か助けてもらったことがある。今日は比較的凪いだ気持ちだけれど、そんな「短編」はいつだって読みたい。
「そうよ、あなた。それであなたがしあわせになれるんなら、そうすべきだと思うわ」
夢を信じる男と彼を信じる妻と娘、それに肉桂色のマーモットにトウモロコシ色のコリーがいて、彼らが暮らす土地がある。そこには思いやりがあって愛もある。彼らとその土地をフィクションの魔法、ファンタジーが優しく包み込む。夢が確かに目の前に立ち上がり、その先に希望も感じさせてくれる。とても優しい物語。その優しさに元気づけられ少し泣きたくなる。そんな小説。
何度も読み返しているけれど、毎回最初の章で満足してしまうから最後まで読んだのは最初の一回だけのような気がする。今日も陽のあたる暖かいベンチで満足のため息が出たけれど、この小説を元にした映画『フィールド・オブ・ドリームス』では(たしか)本人が怒ってクレーム入れて黒人作家に変更されている、あの隠遁作家の物語もまた読みたくなってきた。今回は最後まで読んでみようかな。



